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2006年度上期 未踏ソフトウェア創造事業 採択案件評価書
1.担当PM
大川 恵子 (株式会社スクールオンインターネット研究所 代表取締役所長)
2.採択者氏名
開発代表者
:
佐藤 智洋 (フリーランス)
共同開発者
なし
3.プロジェクト管理組織
株式会社 創夢
4.委託金支払額
6,205,800 円
5.テーマ名
仮想博物館プラットフォームの開発と実証実験
6.関連Webサイト
http://www.vm-platform.org/index.html (10月頃公開予定)
7.テーマ概要
近年、ミュージアム資料に関する情報アーカイブスの構築が少しずつ行われるようになってきている。しかし、その多くが、組織や分野によってバラバラのフォーマットで、それぞれ独立に構築されているため、組織横断的、分野横断的な検索ができず、非常に利用しづらいものになっている。また、そもそもアーカイブ化の目的が組織内の情報管理や一方的な情報提供に限定されているため、展示品、収蔵品の紹介記事を検索する程度のことしかできず、情報アーカイブスの可能性を著しく制限している。 ・自然財や文化財に関する情報を集積し、そこから様々な知識や視点を引き出すためには、誰もが自由に情報を登録したり、登録された情報を様々な角度から再構成して仮想展示として提示したりできるような、開かれた「場」が不可欠である。そこで、仮想博物館プラットフォームを提案したい。 ・仮想博物館プラットフォームは、データベース、および、データベース・アプリケーション群から成り、以下の特徴や機能を有するものとする。 (1)データベース・スキーマは、国際博物館会議のドキュメンテーション標準に従うものとする。 (2)情報管理(登録・修正・削除と、ミュージアム支援として貸出管理)は、組織やプロジェクト毎に行えるものとする。 (3)情報検索は、組織横断的、分野横断的に行えるものとする。 (4)蓄積された情報をベースに、誰もが自由に仮想展示を企画・制作・公開できるよう、仮想展示制作支援の機能を有するものとする。
8.採択理由
知を共有財産として保存する博物館に着目し、それを社会基盤上にだれもが共有し利用できる場として構築するというアプローチに共感しました。従来の博物館ではやらない・できない文化のアーカイブス作りに、一緒に挑戦していきたいと思いました。
9.開発目標
単に博物館にある情報をデジタル化しただけでは図鑑や既存のアーカイブと大差ないため、仮想博物館プラットフォームをだれもが共有し利用できる場として構築し、従来の博物館ではやらない・できない文化のアーカイブス作りを実現することを目標とした。
10.進捗概要
5月 開発開始
6月 関連技術・資料分類に関する調査
7月 データベーススキーマの設計を完了
8月 資料情報管理機能の開発
9月 資料情報管理機能の開発
10月 資料情報管理機能の開発
11月 資料情報管理機能(プロジェクト管理・記録者管理・セッション管理)の開発完了12月 仮想展示制作支援システム開発・情報管理機能の修正・中間発表会の実施
1月 仮想展示制作支援システム開発
2月 仮想展示制作支援システム開発・成果報告書の作成
11.成果
● 仮想博物館プラットフォームデータベース・スキーマの設計
国際博物館会議(ICOM)のドキュメンテーション標準に基づき、データベース・スキーマを設計した
● 仮想博物館プラットフォーム情報管理機能・情報検索機能の開発
組織情報の管理(登録・修正・削除・検索)、記録者情報の管理(登録・修正・削除・検索)、資料情報の管理(登録・修正・削除・検索)を開発した
●仮想博物館プラットフォーム仮想展示機能の開発
登録された情報を元に、仮想展示を制作、閲覧できるようするための仮想展示支援システムを開発した
12.プロジェクト評価
一般的なWEBアプリケーションの粋を越えないが、一定の成果物ができていることからある程度の開発力は認められる。しかし、実施計画書に記載した実証実験が実行できず、外部からのフィードバックが一切ないため、ソフトウェアがもたらす学びへの貢献が明確になっていない。ミュージアム等の協力が得られなかった背景には権利関係などの問題もあるが、提案するシステムの有効性・メリットをアピールする説得力に欠けていたこと、及び実施における積極的な姿勢が不十分であったことが原因と言わざるを得ない。開発においても未完成部分があることから、プロジェクト全体として十分な成果を達成できていないものと評価する。
従来の博物館ではやらない・できない文化のアーカイブス作りが実現できれば魅力あるシステムになると考え採択したが、その部分への積極的な取り組みがなかったことが非常に残念である。
13.今後の課題
実験用コンテンツを所有する協力者・組織を見つけ、実証実験により実用性・有効性を確認することが必須である。また、だれもが自然財・文化財情報を共有し利用できる場にするため、利用モデルをより精緻化し、機能及びインターフェースの追加・完成度を高める必要がある。さらに、従来の博物館ではやらない・できない文化のアーカイブス作りへの試みとして、演劇や技能などの無形文化財をはじめ、新しいタイプのコンテンツ共有に挑戦してほしい。
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