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従来、映像や音声のライブ配信を大規模なノードに対して行う場合、高性能かつ高価な配信サーバやコンテンツ配信ネットワークを用意する必要があった。このため、コンテンツ配信業者が大規模なライブ配信を行うのは困難であると言う問題があった。
本プロジェクトでは、オーバレイネットワークを用いP2Pにより、視聴者のPCも映像や音声の中継を行う放送基盤ソフトウェアを開発することで、高性能な配信サーバや配信ネットワークを用意することなく、安価に大規模なコンテンツ配信や放送を行えることを目標とした。本基盤ソフトウェアを用いることで、単に安価なだけでなく、誰でも、誰にでも放送が可能となり、コンテンツ作成者が国内外の多数の視聴者に対して直接作品を届けるというコンテンツ流通形態を提供できるようにする。
性能目標として、500〜1000kbpsの映像データのチャンネルを用意し、最大1万ノードが参加可能なシステムを目標とした。このために、
(1) ノード情報の管理
(2) メンバー情報の輻輳制御
(3) データ要求やソースノードのスケジューリングアルゴリズム
(4) 隣接ノード管理
について効率の良い新しい方式を考案する。また、
(5) 各ノードの状態を可視化 することにより、デバッグおよび評価の参考とする
これらの各方式を Java 言語を用いて実装し、プラットフォーム独立な基盤ソフトウェアとする。
多くのP2Pの論文は、NS2をはじめとするシミュレータ上での評価にとどまり、実用性の観点から不十分な検証であると言わざるを得ない。本プロジェクトでは、1万ノードが参加可能なシステムとし、クラスタ上での評価により本方式の本質的な項目に対する評価を、また、実ネットワーク上で配信実験を行う、実用面からの評価を行うことを重視する。
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