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2006年度上期 未踏ソフトウェア創造事業  採択案件評価書


 




1.担当PM

   黒川 利明  (株式会社CSKホールディングス 総合企画部 CSKフェロー)




2.採択者氏名

開発代表者

碇 永志 (エコイン株式会社)

共同開発者

田村 詩子 (エコイン株式会社)




3.プロジェクト管理組織


   日本エンジェルズ・インベストメント株式会社




4.委託金支払額


  16,000,000




5.テーマ名


 要求の分析を支援するシステム(プロジェクト管理システム)




6.関連Webサイト


 http://ecoin.jp




7.テーマ概要


 現状の受託開発の現場は惨澹たるものです。300時間を越える労働時間、相次ぐ仕様の変更による
プログラムの作り直しなど、現場では日常茶飯事です。これは主にSIによる見積もりが甘いことと、
顧客の要望が明確化されてないこと、顧客とSIとの間でのコミュニケーション不足が原因です。

労働時間の超過の原因として、主に見積もり仕様作成での見落とし、勘違いによる間違った仕様の策定などがあげられます。これらをすべて取り除くことは、 SI能力、顧客側の要望の明確化など人に拠ることが多いため、残念ながらシステムでカバーすることは不可能です。そこで、プログラミング、テストの段階で発覚するバグ、仕様漏れから発生する作業を明確化するシステムを提案します。

ソフトウェアに関する要求仕様、機能追加、バグ取り、機能変更などを、ひとつのデータウェアハウスに詰め込み、いかなる作業が今行われているのか、機能変更などはどのぐらいあるか、納期はどのぐらいになるであろうか、などの分析をできるようにします。SIが顧客との折衝で、納期変更、追加予算などを検討する場合に、これらのデータが数値として出されていれば、非常に効率よく交渉できます。
また、これらの数値をチャート図にすることによって、納期に間に合うか、間に合わない場合どれぐらいの作業が残るかを一目で判断できるようになります。

作成するシステム
・ソフトウェアに関するあらゆる追加、変更を管理するシステム
・見やすいようにチャート図などを作成するライブラリ
・バグを包括的に管理するシステム
・プロジェクトの進捗管理を行うシステム
・エンドユーザーとサポートのメッセージをまとめてナレッジベースとするシステム

 




8.採択理由


 碇さんが、提案テーマ概要で述べているように、受託ソフトウェア開発の現場は、過重な負担にあえいでおり、その理由は、表面的な人手不足によるものではなく、実は、要求の管理がうまくおこなわれていないことにあることがほとんどだ。この要求分析支援システムは、プロジェクト管理を中心にして、この困難な問題に取り組もうとする意欲的なものである。碇さんは、前回、アジャイル開発手法の一つであるスクラムを取り上げて、顧客に対する要求に答えていくシステム作りを提案していたが、惜しくも補欠となった。今回は、システム要素の分析も十分行われているようなので、大いに期待したい。

 




9.開発目標


要求を含めたプロジェクトの状況を視覚化して管理するためのツールを開発する。




10.進捗概要


7
月 C#UDBの勉強

8月 データベースのトラブルを克服

9月 MS Projectと同様の機能の目処が立つ

10月 IPAの鈴木さんに、現状を紹介し、今後必要な機能について助言をもらう

11月 余分な機能(日時履歴など)を削除する。

12月 発表会を含めてスケジュールの再調整。

1月 BacklogのグラフとEarned Value以外は実装済み。

2月 発表会を含めて文書作成

 7月から2月にかけて、毎月、進捗を含めて打ち合わせを行った。

 




11.成果


プロジェクトマネージメントの視覚化を行うツールを開発した。これは次のような機能を持つ

● アカウント管理

● プロジェクト追加

● 議事録追加

● 機能入力

● タスク一覧

● バグ管理

● バックログ一覧及び管理

● 進捗管理

● アーンドバリュー(Earned Value

● 日報

● WBS

 




12.プロジェクト評価


ツールの学習やバグなどで、当初進捗がはかばかしくなく心配したが、無事に一応稼動するプロジェクト管理可視化ツールが作成され、稼働が確認できた。

 要求管理分析に関して、ずば抜けて目新しいという機能はないが、アーンドバリューの積算表示など実際のプロジェクト管理に役立つ機能が備えられている。

 




13.今後の課題


 プロジェクト管理には、すでに既存の製品が複数存在するので、実用局面ではそれらとの連携機能が不可欠となるだろう。ビジネスモデルの構築は、未踏の枠内の作業ではないが、ASP化、SaaS化を含めた利用形態ならびに開発資金の回収計画も事業化を図る際には重要な課題となるだろう。

 



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