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2006年現在,6000種と
も7000種ともいわれる地球上の言語のうちの,50%から90%が今世紀中にも消滅するという.
Project
Phonethicaは,私たち人類の言語の,特にその音声的な特質を媒介に世界の多様性を探り,その成果を芸術の魔力と科学テクノロジー
によってダイナミックに散種することで,断片化の末の混沌を謳歌する現代社会を生き抜けていくための実践的な方法を探しだすことを目的とするプロジェクト
である.
2004年以降,東京,パリ,ベルリンといった世界の主要都市を舞台に展開されているこの学際的アートプロジェクトは,2005年度の未踏ソフトウェア創
造事業に採択された.そこでは,プロジェクトの核となる,世界のあらゆる言語の間を飛び越え,音声的に近似の言葉を探し出すことのできるコンピューティン
グシステム「Phonethica System」の研究開発を行った.
本提案では,その開発の過程で明らかになった問題点(デジタル化された言語データの偏りなど)を解決するため,現在スタンドアローンアプリケーションであ
る上記PhonethicaSystemを拡張し,ユーザー参加型のウェブシステムを新たに構築する.全世界のユーザーから集められた大規模な言語データ
と現行のアプリケーションとをシームレスに統合することで,プロジェクトに立ちはだかる諸問題をその根本から解決しようとする試みである.
同時に,プロジェクトを継続的に展開していくために必要な各種事業モデルを大胆に発案し,実証的な実験を経てシステムの一部として実装することを提案す
る.具体的には,商品のネーミングあるいは子供の名付けのための発想支援システム,語学学習における暗記の支援システムなどである.
Project
Phonethicaは,意味の連鎖によって均質化へとひた走る世界に,偶然の連鎖によってオルタナティブな価値の可能性を提示し,それを
市井の中に確率的に散種することで,世界の力学を変容しようとするプロジェクトである.
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