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2005年度未踏ソフトウェア創造事業(未踏ユース)  採択案件評価書


 



1.担当PM


 筧 捷彦   (早稲田大学教授)



2.採択者氏名


 代表者

宇田 道信(電気通信大 学)

共同開発者

なし



3.プロジェクト管理組織


 リトルスタジオインク株式会社


  4.委託支払金額


 3,000,000円



5.テーマ名


 音楽を視覚的に認識する方法 及び ウダーの習得を支援するソフトウェアの開発



6.関連Webサイト


 http://www.geocities.jp/uda807/top.html



7.プロジェクト概要


  世の中には,ある 曲を一度聴いただけでピアノ演奏で再現できる人がいる。多くの場合,彼らは英才教育で絶対音感を身につけてる。当提案は絶対音感を持たない素人でも訓練次 第で彼らと同等あるいはそれ以上の能力を身につけるためのソフトウェア(以下,当ソフト)である。??
 
具体的な内容,動作
まず当ソフトにmidiやmp3などの音楽ファイルを読み取らせる。すると本ソフトがそれを再生しながら音楽に合わせた映像を表示する。映像は,円柱状の トンネルを進んでいる様な映像がながれ,音符はトンネルの面に張り付いている。トンネルを進んでいくと,遠くにあった音符が近づいてきて,ある距離まで近 づくと発音する。音程は円周上の角度で表現する。角度が変わると,それに合わせてリニアに音程も変化する。変化の割合は30度で半音,360度で1オク ターブ変化する。このように円周上に音程を配置すると,すばらしく音のバランスを把握しやすくなる。 当ソフトを使って音楽を聴いていると,音楽と映像の 関係を自然に覚えていき,ついには音楽を聴くと映像を想像できるようになるのである。ここまでくれば映像にしたがって楽器を演奏すればよい。これで目的達 成である。
  
使用する楽器はウダーがもっとも適している。ウダーとは,このプロジェクトの開発者が自ら開発した小型の電子楽器である。ウダーにはらせん状に巻かれた線 があり,これを押さえると音が鳴る。音程は押さえる位置によってリニアに変わる。変化の割合は30度で半音,360度で1オクターブである。ウダーと当ソ フトはともに「円周上に音程を配置」している。当ソフトは,音楽を円周上に展開し,ウダーは,円周上を操作する事によって音楽を生み出す。  ウダーと当 ソフトの関係はパソコンで言うとキーボードとディスプレイの様で,二つがそろうとより大きな力を発揮する。当ソフトにはウダーと組み合わせて使う音楽ゲー ムなどを搭載する。




8.採択理由


 提案者は,独創的な新 楽器「ウダー」の開発者であり,なかなかにアイディア豊かな青年である。その「ウダー」を世に広め,音楽の楽しさを広範な人々に実感してもらいたい,とい う思いから提案されたプロジェクトである。コンピュータを使えば,音楽を現状の楽譜の形で なくとも提示できるはずだという,その志はよしとする。
 提案されている方式は,すでに試作もされているが,まだまだ粗削りで,目的を達成するレベルに仕上げるにはもう一歩踏み込んだ工夫が必要となる。実績か らそれをやり遂げるだけの力量を期待しての採択である。




9.成果概要


  “楽譜”を五線紙で はなく,楽器ウダーと同様に,円周上に音符をおき,その位置(角度)で音程を表す(必然的に,円周を一周するとユニゾーン?つまりオクターブに相当する) という基本のアイディアをもとに,試行錯誤を重ねて,直感的に音楽が目から入ってくる表示方式を確立した。その表示方式で音楽を表示するコンポーネントを 生かして,(1)Midi音源列が与えられると,それを表示するソフトウェア,(2)ウダーをつないで演奏すると,それを表示するソフトウェアを開発し た。
 開発計画では,さらに,何らかの音楽情報に基づいて音楽を表示する動作と,ウダーをつないで演奏しその生演奏を表示する動作とを一緒に行うことで,ゲー ムソフトウェアを作ることになっていたが,これは仕上がらなかった。
 Midi演奏やウダー演奏を表示するソフトウェアでは,それぞれコントロールパネルが用意され,いろいろな演奏のコントロールや,表示方法のコントロー ルが行えるようになっている。



 



10. PM評価とコメント

  
 円周を利用した音楽表示方法は,試行錯誤を重ねてつくってあるだけに,なれれば“目から脳へ”音楽が(とくに音程・和音の響きをもって)入ってくるよう に感じられる。とはいえ,もはや新しい実時間反応の修得など望むべくもないロートルのPMには,自ら実験台になるだけの余裕がない。やはり,小さな子供た ち,若者たちに使ってもらってその反応を見るべきであろう。その点からも,プロジェクトの進行が予定から遅れたことの損失は大きい。
 

 もちろん,開発者とっては,音楽表示方法はウダーという楽器の普及を図るた めの一手段としか映っていないのかもしれない。だからこそ,プロジェクト期間が始まっても,ウダーの製造に時間をつぎ込んで,ためにこのプロジェクトが目 標を達成できずに終わるという始末になったのである。しかしながら,プロジェクトが採択され,請け負ったからには,それを仕上げる責任がある。その責任を 果たせないのでは,早晩,スポンサーがつかなくなる。そうなればウダー開発もできなくなる。やるべきことは果たさなければならない,ということを肝に銘じ てほしい。
 

 開発者は,“ソフトウェアは不得意なので…”と逃げているが,どうしてどう して,今回のプロジェクトで作ったものは立派な作品になっている。それにウダーの着想といい,なかなかのアイディアの持ち主である。ぜひぜひ,ステップ アップして,より大きなプロジェクトを企てて欲しいものである。



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