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9人の共同開発とい
うプロジェクトを円滑に進めていくのは,並大抵のことではない。この点をどのように解決していくのか,という課題は,応募があったときからの懸案事項で
あった。そして,その懸念のとおりの事態が途中で生じた。メールでの議論は踊っても,実作業が進まない時期が続いたのである。この結果,つぎのとおりに,
当初予定まではことが仕上がらずにプロジェクトが終わりを迎えてしまった。
・Fink以外のシステムへの対応
予定ではFink以外の版管理システムへの対応をする予定であり,開発途中で難航したため一時対応を保留としていたまま,現在に至っている。今後は
Linuxに対応させていく予定でいるという。
・ フィードバック
予定では早めにβ版を公開することでユーザからのフィードバックを得ようとしたが,開発が予定よりも遅れてしまったため,開発〆切までに充分なデータを収
集することができなかった。「おすすめ」機能のよりどころとなるデータやソフトウェア自体に関する情報を集めるためには,より多くのユーザの協力が不可欠
である。その点で公開が遅れたことによりユーザからのフィードバックを受けることができなかった。
この開発者チームは,東京大学の計算センターのプログラム相談員およびその
経験者の集まりである。相談員室で顔を合わすことを除いては,それぞれ学科や専攻が異なり直接に顔を合わせることは少なく,相互の連絡はもっぱらメールで
のやりとりによっている。相談員の作業が少し広がった程度のことがらなら,その相談員ネットワークですんだのであろうが,さすがにこのプロジェクト程度に
なるとそれだけでは支えられなかった。個々人をとると,それぞれスーパークリエータに化けてもおかしくない素質をもっていると思う。しかし,今回はその素
質が引き出されることなく終わったのがなんとも惜しい。今回の経験をよい意味での糧として,今度は個々人の素質も十二分に発揮したプロジェクトを立ててく
れることを期待したい。

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