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指紋情報は指紋セン
サーから取得するごとにたとえ本人の指紋であろうとも少しずつ異なっているため,1ビットの違いも許されない通常の暗号化手法の鍵としてそのまま用いるこ
とができないが,バイナリデータを冗長性の大きな画像に変換し,指紋画像をDouble Random Phase
Encodingと呼ばれる光学的な暗号化手法の鍵として用いて暗号化・復号化を行うことによって,バイナリデータの指紋による暗号化・復号化を行うこと
が可能となる。しかしながら,この手法では画像に変換するため,少量のバイナリデータを暗号化する場合にも,暗号化データが大きくなってしまうという問題
があるため,今回,ファイルの本体は共通鍵暗号方式を用いて暗号化し,ファイル本体の暗号化に使用した鍵を,指紋を鍵とする光学的暗号化手法を用いて暗号
化することにより,指紋によるファイルの暗号化を実現した。
本プロジェクトで開発した指紋を鍵とするファイル暗号化システムでは,復号化に必要な情報がファイル本体と本人の指以外には存在する必要がないという特徴がある。
このため,従来の指紋を用いたファイル保護システムでは,あるPCから別のPCへ保護されたデータを移動する場合には安全性を保つことが困難であったが,
本システムでは認証情報をローカルに残す必要がないため,指紋を用いることの利便性を保ちつつ,暗号化したデータを別のPCへ移動する際にも安全性を確保
することが可能となった。

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