IPA


IPAトップ





2005年度未踏ソフトウェア創造事業(未踏ユース)  採択案件評価書


 



1.担当PM


 筧 捷彦   (早稲田大学教授)



2.採択者氏名


 代表者

山本 大祐(東海大学  開発工学部)

共同開発者

なし



3.プロジェクト管理組織


 株式会社びぎねっと


  4.委託支払金額


 2,990,219円



5.テーマ名


 統合開発環境 「ActiveBasic」の開発及びサポート



6.関連Webサイト


 http://www.discoversoft.net/ 

 http://www.discoversoft.net/activebasic4/download.htm

 http://www.discoversoft.net/forum/index.php



7.プロジェクト概要


  ソフトウェアを有意義に開発するには,技術力を持つプログラマーとそれ相応の開発環境が必要となる。ActiveBasic はプログラマーの技術的サポートを行うための環境を提供する統合開発環境であり,1999年以来改訂を重ね,固定のユーザももって発展してきたものであ る。今回の応募では,5?10 年先を見据えた64 ビットコンパイラの開発と,即戦力的な意味を持つDirectX プログラミングのサポート提供を行う。
 なお,応募プロジェクトと関連して, Web コンテンツや書籍執筆など,ActiveBasic を取り巻く環境についての整備を進めていく。総括してActiveBasic が活躍するマーケットの基盤を築くことを目標とする。




8.採択理由


 1999年以来, ActiveBasic システムの開発・整備・改版を重ねて きている。N88Basicのシミュレーションから始まって,Windowsアプリケー ション開発環境への拡張,ネイティブコードの出力,オブジェクト指向への対応とシステムをグレードアップしている。専用のウェブサイトを運営するととも に,教 科書も著作している。なかなかの腕前の持ち主である。現時点でのダウンロー ド数は5000程度。アクティブなユーザが100名程度いて,日々改良にせいをだして いる。
 対象とするところがプログラミング開発環境と「地味な」ものではある が,いずれスーパークリエイターになってくれることを期待できる人物であ る。今回は,特に 64ビットCPUのネイティブコード出力と, DirectXの機能が使えるようにする機能拡張とを目標としてプロジェクトを行う。



9.成果概要


 次のソフトウェアおよ びライブラリを完成し,専用Webサイトからダウンロードできるようにした。
・64ビットコンパイラ
AMD64/EM64-Tに対応するネイティブコードを生成するコンパイラ。言語仕様はVer4.0と同等である。リンカが搭載しているので,ソースコー ドを解読し,実行ファイル(.exe)を生成することができる。また,デバッガの機能も含み,生成したネイティブコードに対応する独自形式のデバッグ用 データベースを解読することでデバッギングを実現している。
・32ビットコンパイラ
x86に対応するネイティブコードを生成するコンパイラ。64ビットコンパイラと同様に,簡易リンカ・デバッガを搭載しており,ソースコードのコンパイル から実行ファイルの生成,デバッギングを実現している。
・RADツール,コードエディタ
ActiveBasicの文法に特化したコードエディタ。内部にコード解析モジュールを含んでおり,コード補完機能を搭載している。ウィンドウの設計とそ れに対応するソースコード生成可能なRADツールも提供している。また,メニューエディタ・アイコンエディタなど,Windowsアプリケーション開発に 必要なエディタ環境を取り揃えている。
・ライブラリ
47個のインクルードファイルからなる標準ライブラリ。Win32/Win64に対応し,マルチメディア,ネットワーク,DirectXなどの機能をカ バーする。


 



10. PM評価とコメント


  開発者の山本さん は,学部4年生であるが,6年前からActiveBasicのコンパイラ・統合環境を開発しユーザに提供し続けてきただけに,プログラミング能力は高く, 今回もつぎの分量の作業をし終えている。

  

 

32 ビットコンパイラ

52 ファイル

3 万行

64 ビットコンパイラ

37 ファイル

2 万行

エディタ・ RAD ツール

43 ファイル

3 万行

標準ライブラリ

46 ファイル

1 6 千行

合計

178 ファイル

10 万行

  

 今回のプロジェクトでは,64ビットコンパイラの開発と DirectXのプログラミング支援の提供が主目的であった。64ビットコンパイラは,予想以上に高品質なものができあがり,ActiveBasic Ver4.2から搭載した。その性能を示すのに,ログ解析を行うソフトウェアをActiveBasicで書いて,32ビット用コンパイラと64ビットコン パイラでコンパイルして32ビットPCと64ビットPCとで,30MBのログを実際に解析させてみた。その結果はつぎに示すとおりであった。

  

ログ解析ソフトのソースコード量

1600 ステップ

32 ビットアプリケーション

0.29

64 ビットアプリケーション

0.14

 

 レジスタを使った数式計算コード部分の最適化がコンパイラに組み込まれたこ とが大きい。
DirectXのライブラリに関しては,独自のABDXというライブラリを製作した。ただし,その設計は開発当初のままであり,仕様の見直しを含めた十分 な改良は行えなかったという。また,プログラミングの解説ページの増強も行った。
  

http://www.discoversoft.net/help_center/index.html?directx


ただし,開発者自身は,まだまだ充実を図る必要があると判断している。
 しかしながら,客観的に見て,応募したプロジェクト内容以上のものを開発し終えており,胸をはっていいできである。



  ページトップへ   






  Copyright(c) Information-technology Promotion Agency, Japan. All rights reserved 2004