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ShareFastは知識共有や技術伝承を効率化するために開発したシステムであり、熟練エンジニアなどがユーザとなるため、使いやすくシンプルなインタフェースの設計を目指した。ワークフローと文書を組み合わせることで豊かな表現力を持つコンテンツを作成できることを実証した。図1〜図3に示すように、開発チームのメンバーは製造業の現場に入り込み、計算機に不慣れな高齢の熟練エンジニアでも操作可能かつ詳細な記述ができるシステムの開発を実現した。

図1 クライアントプログラム操作イメージ

図2 船舶設計ワークフローと作業マニュアル
実際に熟練エンジニアの設計に関する知識をヒアリングにより約100ものワークフローを文書ファイルに記述し、本システムが製造業の知識記述に有効であることを示した。また、システムを実業務に耐えうるか実業務のコンテンツを作成することで検証した。

図3 船舶設計業務のワークフロー(一部)
専用ソフトウェアで開発したコンテンツを手軽に閲覧するためのウェブ版のクライアント(図4) をFlashで開発した。このクライアントにより企業内での運用やコンテンツの外部公開が容易となる。
 
図4 ウェブ版クライアント
広範なユーザを獲得するために、シンプルなユーザインタフェースを提供するとともに、マニュアルを整備し、きめ細かい機能を提供しシステムの評価改良を繰り返した。クライアントの自動アップデート、障害情報のログ機能など、細かな機能も実装し、オープンソース・ソフトウェアとして公開した。
本システムによるワークフローの客観化・標準化の有効性を示すため、他業種でのサンプルワークフロー(法律事務所でのパラリーガル業務フロー)の記述を試み、その有効性を確認した(図5)。

図5 パラリーガル業務支援フロー
本プロジェクトの最大の成果は、ワークフローを切り口とした新しい文書管理システムを開発するとともに、製造業の設計現場の業務で実用に耐えうることを実証したことである。開発チームとしてオープンソース・ソフトウェアとして公開も行い、広範なユーザがシステムを利用して知識をワークフローや文書の形で設計知識コンテンツが記述できるようなユーザインタフェースを設計するなど、柔軟で実用性が高いシステムを総合的に実現した。
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