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開発内容は以下の通りである。
4.1 システムパッケージ化機能開発および委託
システム改良の開発委託を行った。開発および改良のポイントを以下に挙げる。
4.1.1 Mac OS X対応
従来から要望が多かったMac OS Xで動作するように、動作OSを移行した。
4.1.2 インターフェイスの統合
これまで機能ごとに別々のソフトウェア群となっていたところを、ひとつのインターフェイス上で操作可能とした。また一部のインターフェイスの日本語表示に対応した。なお、基本的な操作感は、従来のシステムの使い勝手を継承しているため、画面上に大きな変更はない。

図1:旧インターフェイス(Windows)

図2:新インターフェイス(Mac OS X)
4.1.3 教材パッケージ専用バージョンの新設
一部機能を省略した教材パッケージ専用バージョンを新設した。これにより、システムのインストール作業が容易になった。教材パッケージ専用バージョンで省略した機能を以下に挙げる。
・DVビデオ取り込み機能(既存カードのみを使用)
・カメラによるカード位置検出・カード順入力機能
4.1.5 カード位置検出機能
カメラによるカード位置検出機能を向上した。カード認識のアルゴリズムを見直し、認識率を向上した。
4.1.6 ファイル入出力機能
ファイル入出力機能については、従来よりできる限り自動化してユーザが意識しなくてもすむように設計していた。この自動化された入出力機能に加えて、ユーザが任意の場所に保存できる機能を追加した。これにより、ワークショップ毎の設定ファイル等を保存・読み出しするなどの利便性が向上した。ユーザが保存できるファイルは以下の3種類である。
・プロジェクト…カードのセットを保存・読込
・カード順………テーブルに配置したカードの座標位置データを保存・読込
・シーケンス……編集結果のシーケンスムービーを保存
また、ワークショップ中のトラブル発生によるデータ損失を避けるために、変更があるたびに、各種設定ファイルを自動保存する機能を追加した。
4.1.7 タイトルカード機能
映像の上に静止画を合成するタイトルカード機能を追加した。これにより、映像編集作業で、映像と同時にタイトルや字幕等を挿入できるようになった。
4.1.8 トランジション(切り替え効果)カード機能
カットとカットの切り替え時に効果を追加するトランジションカード機能を追加した。これにより、映像編集作業で、クロスフェード・ワイプ・スライド等のカット切り替え時の映像効果を付加できるようになった。

図3:トランジションカードの例
4.1.9 印刷機能
印刷機能を強化した。カード印刷において、これまではカード内容のシーンの冒頭単一フレーム画像のみ印刷されていたものを、複数フレーム画像をレイアウトする機能を追加した。また、カード内容のシーンの時間長を視覚的に理解できるグラフィックを追加した。
ストリップ印刷において、ロール紙以外の用紙サイズへの印刷に対応した。また、印刷前にレイアウトを確認できる機能を追加した。ストリップ印刷機能は、従来シーン内の必要時間を切り取るトリミング作業を目的としていたが、さらにフリップブック制作にも使用できるように、バーコード印刷の有無を指定できるようにした。
4.2 ティーチングガイドブック企画、サンプル作成
ワークショップファシリテーター用のガイドブックを企画し、ワークショップで使用できるサンプル映像を作成した。
ガイドブックについては、構成を企画しサンプル版を作成した。今後、内容を精査して、出版を目指す。
ガイドブックの概要
タイトル:「Movie Cardsファシリテーターズガイドブック」
サイズ:B5判変型
ページ数:60ページ程度
ガイドブックの内容(目次案より)
はじめに
本書の構成
ムービーカードのコンセプト
ムービーカードとは/編集ツールとして/コミュニケーションツールとして/メディアリテラシー教材として/クリエイティブツールとして/ムービーカードの応用範囲/ムービーカードが描く社会像
ワークショップをひらこう
ワークショップとは/ワークショップの進め方・手順/イメージゲーム/クリエイティブゲーム/映像を企画する/ビデオ撮影の基本/映像的な美を追求してみよう/編集でつくりだせる効果をためそう/音楽をつけよう/ナレーションをつけよう/タイトルをつけよう/発表・上映しよう/ケーススタディ・事例紹介/ワークショップの記録をとろう
システム
システムの使い方/必要な機器/ソフトウェアのインストール/ソフトウェアの起動
付録
ムービーカードプロジェクトの活動

図4:ガイドブック
また、ワークショップで使用するためのサンプル映像を作成した。これまでのワークショップでは、基本的に参加者自身が撮影した映像を素材として使用していたが、パッケージ化にあたり、既存のサンプル映像が必要となった。そこで、編集の効果をわかりやすく伝えるためのサンプル映像を数点撮影・作成した。映像素材については、今後も作成・収集を引き続き行う。
なお、信州メディアリテラシーネット研究会との教材共同開発の際には、テレビ信州提供のニュース素材映像をサンプル映像として使用した。
なお、音素材については、今後も協力者との連携を進める。

図5:サンプル映像のカード
4.3 ワークショップ企画、開催
開発期間中は、随時「Movie Cards」ワークショップを企画、開催した。これらのワークショップは、前記2項目のテスト・評価を兼ねている。主なワークショップ開催実績を以下に挙げる。
「せんだいメディアテークこども映画教室:
ムービーカードを使って映像編集をしてみよう」
開催日:2006年2月19日
会場:せんだいメディアテーク(宮城県仙台市)
対象:小中学生
ワークショップ開催に先立って、2月8日同会場にて教育関係者と勉強会を行った。

写真1:ワークショップの模様(せんだいメディアテーク)
「ムービーカードを使ったワークショップ
〜映像を編集してストーリーをつくろう〜
〜映像にナレーションを入れよう〜」
開催日:2006年6月15日、29日
会場:須坂小学校 視聴覚教室・放送室(長野県須坂市)
対象:小学生(3〜6年生)23名
長野県の須坂小学校での学年縦割りの総合学習「ビデオで須坂を紹介しよう」第2回・第3回の授業でMovie
Cardsワークショップを開催した。これは、信州メディアリテラシーネットと共同開発している教材開発のための研究授業の一環として実施した。

写真2:ワークショップの模様(須坂小学校)
「ワークショップ:ムービーカードで映像をつくろう」
開催日:2006年7月15日、16日
会場:メディアセブン(埼玉県川口市)
対象:小学生・一般

写真3:ワークショップの模様(メディアセブン)
「Movie Cardsワークショップ」
開催日:2006年8月9日
会場:千曲市総合教育センター(長野県千曲市)
対象:小学校教諭等
ワークショップ開催と学校教育での活用可能性について議論した。

写真4:ワークショップの模様(千曲市総合教育センター)
上記のほかにも、随時、調査・実験を実施した。
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