開発成果一覧へ
2005年度下期 未踏ソフトウェア創造事業 採択案件評価書
1.担当PM
酒井 裕司 (株式会社イグナイトジャパン ジェネラルパートナー)
2.採択者氏名
開発代表者
:
江原 遙 (東京大学 工学部 計数工学科 学生)
共同開発者
なし
3.プロジェクト管理組織
(株)オープンテクノロジーズ
4.委託金支払額
397 ,989 円
5.テーマ名
情報銀行:セキュアでリーガルなP2P型オンラインストレージの開発
6.関連Webサイト
http://niam.main.jp?pj.niam.main
7.テーマ概要
従来、誰でも使えるオンラインストレージ(例えば、Yahooブリーフケースなど)といえば、企業が大規模なストレージサーバを設けて、それにクライアントがアクセスするクライアント・サーバ型(C/S型)が主流であった。この方法 では、以下のような問題点がある。 ・ 可用性に乏しい(アクセス集中・メンテナンス時に落ちる) ・ 拡張性に乏しい(ユーザー数の増加に対応できない) ・ ロバスト性に乏しい(故障・天災・災害時にデータが消失) ・ プログラムから利用しにくい オンラインストレージをP2Pで構成すれば、これらの問題は、P2Pの性質により、自然に解決できると考えられる。にもかかわらず、現在依然としてC/S型が主流である理由としては、P2P型の次のような問題点が非常に大きいからであると考えられる。 ・ データを仲介する第三者のノードに情報が読めてしまう=セキュアでない ・ ファイル配布による著作権侵害の問題=リーガルでない そこで、本提案では、まさしく銀行と同じように、情報を「預け」て許可された人のみが「引き出せる」=セキュアで、著作権侵害にならない=リーガルな、P2P型オンラインストレージ「情報銀行」を開発し、誰もが安心して使えるようにすることを目指す。情報銀行は、ネットワーク上にデータを預けておく場所を自由に作成できるフレームワークであり、さまざまな応用が期待できる。 また、指定時刻以後のみ情報を引き出すことのできる「定期預『情』」も同時に開発できる。これは、大規模で身近な時限解除暗号の仕組みとして利用でき、仮想的に未来に情報を送ること、例えば、10年後の自分にメールを送ることも可能になる。
8.採択理由
ニーズの点から言えば他に代替性のあるシンプルな方式がありそうですが、発想がユニークであり潜在的な発展性も考えられるため採択としました。
9.開発目標
上記目的を達成するため、とりあえず、分散端末を利用することにより時間改ざんが困難であることを利用し、一定の時間にならないと引き出せないデータバンクを複数の端末上に実装されたクライアントにより構成することを目標とする。
10.進捗概要
残念ながら当プロジェクトにおいては、基本アーキテクチャーの設計を超える第三者が動作可能な安定したクライアントアプリケーションの提供までには至らなかった。
学生が個人で達成可能な目標と規模に限定して開始したプロジェクトであるが、実装に至る過程で設計の迷いにおいて、コード作成に対する着手が遅れ、完成に要求される高いプレッシャーにより、時間的な制約の中では機能提供が出来なかったといえるだろう。
11.成果
基本的設計および、その設計に基づく改良点に関する考察。また、設計に基づくある程度のコードが本プロジェクトでの成果である。
12.プロジェクト評価
当プロジェクトに関しては、満足できる結果であったとは言えない。
13.今後の課題
あれこれと考えられたアイディアは、その実装過程において種々雑多な障害が存在しそれを克服して初めて利用可能な機能となる。このプロセスをユーザーが満足するまで継続出来るかどうかが、ソフトウェア開発者が持つべき最も重要な資質である。
当プロジェクトにおいては、まず、アイディアを出すのみでなく、それを不完全な現実の中で機能として実装する勇気と根気を身につける必要があるだろう。
ページトップへ
Copyright(c) Information-technology Promotion Agency, Japan. All rights reserved 2004