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複数のネットワークインタフェースに接続されたリンクを仮想的に一つのリンクとすることで、転送性能向上と冗長性を確保しようとするアイデアは理解できる。既存のソケットを束ねて一つのリンクに仮想化するアイデアには一定の有用性を認めることはできるが、イーサネットのリンクアグリゲーションと違い、レイヤ3で仮想化する場合、パケットの分解と統合など工夫すべき点も多く、転送性能の向上は思ったよりも難しい。性能向上とともに、各種のサービスを複数リンクで提供できる可能性、また、採択当事学部2年生という若さに対する期待もあり、採択とした。
一時はどうなるかと思った局面もあるが、一応目標を達成し、動くソフトウェアもできた。作成したライブラリを使って、予定にはないクライアントロードバランサも開発している。また、企業などにも売込みをはかっており、前向きな点を評価する。
ただ、全体としての完成度について、今後の課題となる部分も少なからずあり、実用化のためには、さらに開発したソフトウェアに磨きをかけていく必要があるだろう。
なお、開発の分担は、主に仮想LANデバイスを含む全般的な機構の開発と帯域の向上に関する部分を代表者である川口が行い、冗長性の確保を目的とした部分の開発と実装後のデバッグ作業を共同開発者である埴田が行っている。共同作業として、技術的内容において適切な切り分けであったと考える。また、性格的にも良いバランスになっていた。開発したソフトウェアをさらに磨きをかけて使えるものに育てていくと同時に、このデュオがさらに成長することを期待したい。
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