| 近年、インターネットの急速な普及と、PCの価格低下に伴い一般家庭や、小規模なオフィスなどでもネットワークの概念が取り入れられて久しいが、それを支える技術は10Base-Tから100Base-Tへ、100Base-TからギガBase-Tへといった具合に、新たな規格の制定待ちと普及とを繰り返してきた。
他方、サーバや業務用スイッチングハブなどの分野ではLinkAggregation(IEEE802.3ad)などのように複数のリンクを束ねて、高速・大容量の帯域と冗長性を確保する技術が一般化されている。
そうした現状を踏まえ、本案件はWindowsコンピュータのアプリケーション層において、複数のリンクを束ね、前述したような通信を可能にするためのライブラリである、HSTP.DLL(http://www.geocities.jp/hstp_k/index.htmにて公開中)と、仮想LANデバイスを組み合わせることにより、エンドユーザーに対してネットワークの信頼性の向上と高速化を提供するものである。
また、基本的な転送技術はアプリケーション層において実現されるため、異なるデータリンク同士を束ねることも可能であり、既存のLinkAggregationなどでは成し得なかった、ADSLとCATVといったインターネット回線を用いた収束化も可能である。
本案件における開発項目は以下の通りである。
・OSからパケットデータを受け取る仮想LANデバイスの開発(デバイスドライバレベル)
・パケットデータをHSTP.DLLに渡すための中間モジュールの開発(一般プログラムレベル)
・HSTP.DLLに冗長性を付与するための改良作業(一般プログラムレベル)
・モジュールの結合およびテスト・デバッグ作業
・(可能であれば)3本以上のリンクを用いた実装
現在、研究や普及が進んでいる、グリッドコンピューティングやシンクライアントの分野では、ノードやクライアントマシンと呼ばれる末端のコンピュータ同士を繋ぐ技術が重要であり、本案件の成果が応用できるほか、小規模なLAN設備において信頼性の高い通信が可能になることで、決済業務などを伴う新たなベンチャービジネスなどが発展することも考えられるだろう。
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