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2005年度上期 未踏ソフトウェア創造事業 成果評価報告書(プロジェクト全体について)



 プロジェクトマネジャー: 千葉 滋 (東京工業大学大学院 情報理工学研究科 助教授)



1.プロジェクト全体の概要


 「世界をめざす基盤ソフトウェア」というテーマで公募をおこない、29 件の応募の中から4件を採択した。残念ながら不採択としたプロジェクトの中にも大変すぐれたものが多く、予算の制約さえなければより多くのプロジェクトを採択したいと思わせる内容だった。その中から書類審査およびヒアリングをへて選んだ 4 件は、非常にすぐれたものばかりで、プロジェクト開始当初から大きな成果を期待できるものであった。
 プロジェクトの実施にあたっては、まず 7 月 17 日に黒川 PM・並木 PM と合同でキックオフミーティングを東京・渋谷で開催した。また 11 月 1 日に中間報告会を東京・渋谷で開催した。最後に 2 月 24 日に成果報告会を東京・品川で開催した。成果報告会には、Ruby 開発者のまつもとゆきひろ氏と、Seasar 2 開発者のひがやすを氏という、著名な両氏にゲスト講演をお願いし、200 名近くの参加者を得て盛大におこなうことができた。この他に進捗管理のため、毎月のメールによる進捗報告を各プロジェクトに課し、2,3ヶ月に1度のペースでプロジェクト関係者を一同に集めての会合をもった。



2.プロジェクト採択時の評価(全体)


 公募テーマは「世界をめざす基盤ソフトウェア」ということであったので、応募時ある程度の実績なりプロトタイプがあるプロジェクトを高く評価した。ここでいう基盤ソフトウェアとは、オペーレティングシステムやミドルウェア、コンパイラ、アプリケーション開発フレームワークなどであり、一般利用者の目にふれるアプリケーション・ソフトウェアを動作させるために使われる縁の下の力持ち的なソフトウェアである。このようなソフトウェアでは、安定性や性能が重要であるので、実績やプロトタイプの存在を評価するようにした。最終的に採択したプロジェクトは、どれもヒアリング時には既にプロトタイプが存在するか、現行バージョンが一般公開済みであった。それらのプロジェクトは、現状のものを元に、機能や性能を改善し、付属ドキュメントを整備して普及にはずみをつけようという内容であったので採択した。



3.プロジェクト終了時の評価


 採択した4件のプロジェクトとも当初計画された内容以上の成果をあげた。成果報告会は多数の一般参加者を集めたが、どのプロジェクトも非常に大きな注目を受けていた。4件のプロジェクトのうち、2件が Java 言語での開発を助けるもの、2件が Ruby 言語での開発を助けるものであったため、会場は Java v.s. Ruby の様相を呈したが、それぞれの言語の特徴を生かしたソフトウェアに仕上がっていた。公募テーマの「世界をめざす」という点については、4件中2件のプロジェクト (Mayaa と BioRuby) については英文ドキュメントを整備し一定の成果を達成した。残る2件のうちの1件 (YARV) は、国際会議で発表するなどの努力で、国際的な Ruby コミュニティーの中で一定の認知を受けることが出来たようである。残念ながらどのプロジェクトも期間中に世界的に有名になることはできなかったが、1年間という限られた期間の中で今後世界的に普及させるための足がかりを作ることはできたと思われる。


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