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2005年度上期 未踏ソフトウェア創造事業  採択案件評価書


 



1.担当PM

   千葉 滋 (東京工業大学大学院 情報理工学研究科 助教授)



2.採択者氏名


開発代表者

西岡 悠平 (フリーランス)

共同開発者

染田 貴志 (フリーランス)


3.プロジェクト管理組織


  日本エンジェルズ・インベストメント株式会社



4.委託金支払額


  5,300,000



5.テーマ名


  ユーザ主導型 Web アプリケーション作成ツールの開発



6.関連Webサイト


  http://tuigwaa.sandbox.seasar.org/



7.テーマ概要


 HTML タグや SQL を知らない人が、専門知識や特別な環境なしに Web ブラウザだけでデータベースと連動する Web アプリケーションを作れるようにするためのツール Tuigwaa(とぅいがー)を開発する。またこれにより WebUDA(ユーザ主導型Webアプリケーション作成ツール)と開発者らが名付けたミドルウェアの新しいジャンルを開拓する。



8.採択理由


 
グループウェアは、スケジュール等の情報をグループ内で共有するのに優れたソフトウェアである。しかし既存のグループウェアは必ずしも小回りがきくとはいえず、日常の簡単だが雑多なデータは Excel 等で入力し、そのファイルをメールでグループ内で回覧することで情報共有されていることが多い。
  本提案は、Excel あるいは blog 程度の簡単な操作で、そのような雑多なデータを管理する web サイトを簡単に開設できるようにする web アプリケーション・システムを開発しようというものである。既にプロトタイプが動いており、利用者向けのインタフェースなどをきちんと整備すれば十分普及するチャンスはあると考え、採択とする。



9.開発目標


 企業内の業務の効率化のため Web アプリケーションを導入する動きが活発だが、その開発や維持管理のコストは小さくなく、日常業務のちょっとした情報共有にはなかなか Web アプリケーションを利用できていない。本プロジェクトは、そのような日常業務にしばしば現れる不定型な情報共有をおこなうための Web アプリケーションを、ソフトウェア開発の知識をもたない一般の利用者が、手軽に開発できるようにするツールを開発することを目標とする。



10.進捗概要


 採択した当初は、ごく初歩的な機能だけをもつプロトタイプが動作している段階であった。しかしながら、その後、順調に開発が進み、計画を前倒しする形で11月5日にリリース1、11月30日にリリース2、1月24日にリリース3と一般公開することができた。また中間報告会でプロジェクトマネージャや他の出席者から出されたフィードバックに答える形で、機能の修正・拡張をおこなった。これにより機能が充実しているだけでなく、初心者でも利用しやすいツールとすることができた。リリース3の完成度は高く、2月に実施した成果報告会の参加申し込み受付サイトとして実運用に使うことができた。



11.成果


 Wiki のような感覚で一般ユーザでも簡単に Web アプリケーションを構築できるツール Tuigwaa が開発できた。これは Java で記述されたアプリケーションフレームワークで、J2EE サーバが動作している環境であれば、ディプロイするだけで簡単にインストール、稼働させることができる。また Wiki でも抵抗のあるユーザ向けには、機能が制限されるものの WYSIWYG によって編集する機能も用意されている。

 Tuigwaa を使うと、参加申し込み受付サイトのような比較的簡単な Web アプリケーションであれば短時間でプログラムを書かずに構築することができる。そのような Web アプリケーションは、要はデータベースから得た情報を加工して貼り付けたページの集まりである。Tuigwaa はそのようなページの作成を、Web ブラウザ上から可能にする。この他にも、データベースのスキーマの定義や、入力によって次にどのページへ飛ぶかなど、ページ間の遷移の定義も、同様に Web ブラウザから可能にする。

 詳細は以下のプロジェクトサイトから得られる。

 http://tuigwaa.sandbox.seasar.org/



12.プロジェクト評価


 技術的な可能性を示すプロトタイプしかない状態から、短期間でこれだけ完成度の高いソウェアを開発できたことは、開発者の高い能力あってこそのものである。このソフトウェアの内部で使われている技術は、バイトコード変換など高度なものであり、単なるアイデアだけで構築できるようなソフトウェアではない。Tuigwaa のアイデアは、それ自体、非常に新規性の高いものであるが、ただそれを思いついただけでなく、それを非常に高い完成度で実現した技術力は特筆に値する。開発者らの今後に期待できる。



13.今後の課題


 Tuigwaa は新しいジャンルのアプリケーションフレームワークを生み出す可能性を秘めている。しかし、残念ながら世界に向けて発信するという観点では、Tuigwaa はまだこれからである。今後は多言語対応などを進め、国際的に広く使われるソフトウェアとしての地位を築いていって欲しい。


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