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Phonethica (フォネティカ)
2005年現在、5000種とも6000種ともいわれる地球上の言語の50%から90%が、今世紀中にも消滅するという。
Phonethica(以降プロジェクト)は、私たち人類の言語の、特にその音声的な特質を媒介にして世界の多様性を探り、その成果を芸術の魔力と科学テクノロジーによってダイナミックに散種することで、断片化の末の混沌を謳歌する現代社会を生き抜けていくための実践的な方法を探しだすことを目的とするプロジェクトである。
本提案では、プロジェクトの基幹となるフォネティックオリエンテッドな検索アルゴリズム"SEAP、"
全地球的言語データベース"WODI、" 自己増殖性を備えたマルチメディア・エンサイクロペディア"SOME"の開発を行う。
"SEAP"と"WODI"は 世界の言語を跨ぐ同音異義語検索ソフトウェア"PHMS"として機能し、世界中の言語の中から任意の単語と近似の音声を持つ単語(例えば仏語の"Ca-va"と日本語の鯖)を検索する。"PHMS"によって検索された単語情報は"SOME"とのシームレスな連携により様々な背景情報に関連づけられ、ユーザーはそれらの情報をテキスト、サウンド、写真、動画、グラフィック、タイポグラフィといったメディアにより体験する。
例えば、その言語の語彙や文法、学術的な分類、世界人口における話し手の割合や地理的分布に関する情報から、その言語を話す人々の生活風習、芸術、文学、音楽、宗教、歴史、地理や気候、さらには現在の経済並びに政治情勢に関する情報までもが次々と前景化し、コラージュされ、そしてまた情報の海へと溶け込んでいく。
このようにして、これまで一度も関連づけられたことがなかったその意味も用法も異なる二つの単語が、「音」という共通項によって確率的に結びつけられ、そこに、新たな価値を持つインターフェース、多様性と多様性をつなぐインターフェースが生成される。
偶然性の連鎖によって点と点が緩やかに関係しはじめ、やがて次なる運動を誘発し、さらに、そこを貫く普遍性が密やかに、しかし確かに意識化されていく世界をプロジェクトは夢見る。
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