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独自の手法を採用した人工画用画像圧縮技術を開発した.静止画では従来の技術より優れた性能を実証し,動画に関しても有効性を確認できた.また,この技術を採用した独自のエンコーダとプレイヤ,
AVI (Audio Visual Interleaved)
内蔵型の VCM
(Video Compression Manager) を整備した.これにより,
AviUtl 等の
AVI 編集ツールを利用した読み込み・編集・作成や,
Windows Media Player や
Winamp といった一般に利用されているメディアプレイヤーでの再生が可能となった.
具体的な開発項目を以下に示す.ただし,秘匿ノウハウを多数含むため,詳細はここには記載しない.
(1)
静止画圧縮の改良
既に開発者が有している静止画圧縮技術に改良を加え,完成度を高めた.現在の主流である
DCT 等の技術に代わって,独自のアイデアによる手法を実装した.これにより,静止画の処理においては従来の技術よりも優れたものを実現できた.
(2)
静止画圧縮の動画圧縮への応用のための変更
静止画と動画では共通点も多いが,データを適切に効率良く取り扱うためには,様々な拡張が必要となる.このため
(1) で開発した静止画圧縮の技術に対し,動画圧縮への応用が可能となるよう改良を加えた.
(3)
フレーム間差分圧縮の開発,テスト版整備と検証
動画圧縮の基本部分は,従来の
MPEG 等で採用されている技術に基づいており,それをさらに独自のアイデアで拡張した.具体的には,
I フレーム,
P フレーム,
B フレームの概念はそのまま活用するものの,モデル化並びに符号化の処理に独自のアイデアでさまざまな工夫を加えた.これらについてテストを行ない,その有効性を確認した.
(4)
動画圧縮のテスト版整備と検証
静止画圧縮技術でも同様であるが,動画圧縮技術においては,視認による検証が静止画の場合よりも重要である.このため,簡易エンコーダ,デコーダを準備し,
(3) の開発と並行して検証作業を実施した.
(5)
エンコーダ,デコーダの整備
(4) までの作業により,実際に動画圧縮技術を開発することができた.この技術を一般に利用可能とするために,まずエンコーダとデコーダ
( プレイヤ
) を整備した.これらは本技術が採用した独自形式に対応したものである.
加えて,
AVI 内蔵型の
VCM (dll で配布
) を整備した.これにより,
AviUtl 等の
AVI 編集ツールを利用した読み込み・編集・作成や,
Windows Media Player や
Winamp といった一般に利用されているメディアプレイヤでの再生が可能となった.
従来の
DCT 処理では,比較的大きな計算コストを要する上,ノイズの発生が避けられない.実際,図
1 の原画に対し,図 2
のようにモスキートノイズと呼ばれるノイズが発生する.これに対して,本技術ではアニメのような人工画に特化した独自のアイデアを実装することで,ノイズの発生を抑える(図3参照)とともに,圧縮性能の向上を実現した.本技術の優位性は,本プロジェクトが重視した低損失領域で顕著であり,静止画に関しては,画質,速度,圧縮率等,すべてにおいて従来の技術に勝っている.
(c)萩原音泉
星月 図 1 原画
星月図2 DCT
によるモスキートノイズが見える 星月図3 今回開発版ではノイズが抑えられている

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