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インターネットをユビキタス環境の通信基盤として利用するための通信技術,
Relationship の開発を行った.
Relationship は,機器
( ノード
) 間の配線において必要とされる,機器間での通信相手のグループ化,通信設定の簡素化,通信接続関係の維持,通信接続先の切り替えを実現する.
Relationship の機能は
API として用意され,この
API を用いることで,開発者に機器間通信でのインターネット利用を容易なものとする.
(1)
Relationship の設計
図
1 は,
Relationship の基本構成図である.
Relationship は,通信端末ノードの内部で動作する通信管理モジュールと,モジュール間で設定される通信路,
Relationship からなる.通信はモジュール間の協調作業によって構成されるため,
Relationship はインターネット側の通信設定と独立して設定される.

横山 図
1 RelationShip
の基本構成図
モジュール間での情報共有には,図
2 ノード間での情報交換を利用する.情報交換は,初回位置登録,端末移動時の移動先の通知,位置不明ノードの問い合わせからなる.
Relationship 技術では,各ノードには,
Personal Name と
Family Name が与えられる.
Family Name が同じノードは,初回位置登録で
Relationship 関係を結ぶ.各ノードは,移動などによって通信設定が変更されると,新しい通信情報を
Relationship 関係にあるグループノードへ通知する.これによって通信相手を捕捉する.通知を受信できなかったノードは,他ノードに対して問い合わせることで,通信相手を再補足する.
Relationship
の通信端点は, Relationship
ソケットとして扱われる.ソケット情報は,情報交換プロトコルによって,グループ内で共有される.待ち受けの受信ソケットの作成が行なわれると,その情報がグループ内で共有される.その受信ソケットへデータ送信を行ないたいノードは,そのソケット名を指定することで通信回線を設定するわけである.
図
3 は,
Relationship が提供する
API の概念と
API 群である.これらの
API によって,表
1 の機能を利用することができる.

横山 図
2 ノード間の情報交換

横山 図
3 Relationship
API 群

横山 表
1 Relationship
が提供する通信機能
(2)
Relationship 技術の実装と評価実験
上記の設計に基づいて行なった実装の大枠を示すのが図
4 である
( ここでは詳細な説明は省略する
) .
作成した
Relationship 機能を用いて,いくつかの動作実験を行なった.実験では
SPEAKER ノードと
PLAYER ノードを用意した.それぞれが音楽を再生するスピーカーと音声データを送信するプレイヤーとしての役割を持つ.

横山 図
4 Relationship
のサブモジュール群
実験
1: Speaker ノードと
Player ノードが
Relationship 関係を結ぶ.
Player が
Speaker へデータ送信することで,スピーカーから音声が鳴り始める.その後,
Player を移動し,異なるネットワークへ接続した場合でも,再び
Speaker と
Player が再接続し,音楽が流れ出す
( 図
5) .この実験によって,情報交換の機構が動作し,ノードの移動時においても
Relationship 関係を維持することが可能なことを示した.

横山 図
5 実験環境
1
実験
2: Speaker と Player ノードがいったん関係を結び,音楽を鳴らす.そのあと
Player はネットワークから切断され,移動される ( 図
6 の離脱 ) .ここで他の
Player ノードが Speaker に近づく
( 図 6 の接続 )
と, Speaker は新たな Player
と Relationship 関係を結び,スピーカーからは新しい音楽が鳴る.この実験によって,ソケット名を基にした通信回線の切り替えが可能になったことを示した.

横山 図
6 実験環境 2

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