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2004年度未踏ソフトウェア創造事業(未踏ユース)  採択案件評価書


 



1.担当PM


 筧 捷彦   (早稲田大学教授)



2.採択者氏名


 代表者

佐々木 竹充  (株式会社フラクタリスト )

共同開発者

なし



3.プロジェクト管理組織


  株式会社オープンテクノロジーズ



4.委託支払金額


 2,997,802円



5.テーマ名


  携帯アプリのビジュアル開発環境



6.関連Webサイト


  なし



7.プロジェクト概要


  携帯アプリケーションを開発するためのビジュアル開発環境を開発した。この環境は, Eclipse 上で動作する GUI エディタプラグインとして用意してあり,つぎのものを備えている。

・ GUI エディタ上でデザインし携帯電話上で実行できる GUI コンポーネント群

・ i アプリ上で利用する簡易ファイルシステムライブラリ

・携帯アプリ向け RPC 通信ライブラリ

 これらは,それぞれ,携帯アプリ開発において基本的部分として必要とされる GUI 作成,リソース管理,通信機能の開発を支援する。





8.採択理由


  Eclips plugin
  GUI designer (GUI editor)
 GUI frame work (programming rules & runtime environment)
という仕掛けで作るという話はしっかりしている。
会社の仕事との両立は?という質問に,会社の製品のラインナップの一部に加える,というビジネス感覚も悪くない。
採択数との兼ね合いもあるが,採択したいと思うプロジェクトである。




9.成果概要


 「携帯アプリ向け開発環境」として,つぎの4項目を開発した。

 

○ GUI エディタ(開発計画での GUI デザイナ)

RAD 開発においてまず必要な GUI 画面作成機能を実現するため,「 GUI エディタ」を開発した。 GUI エディタは,現在 Java 開発でもっとも一般的に利用されている開発ツールの Eclipse のプラグインとして実装されている。

 

○ GUI コンポーネント(開発計画での GUI 設計フレームワークの具現)

GUI コンポーネントは, GUI エディタ上でデザインできること,携帯電話上で動作させられること,新規コンポーネントを追加で作成できること,を目標として設計を行い,携帯電話上での「実行環境」とその上で実行できるコンポーネント(ラベル,テキストボックス,チェックボックス,ボタン,画像,パネル)を実装した。

 

○携帯アプリ向け RPC 通信ライブラリ

 通信プロトコルの設計やクライアントとサーバの実装を簡単に行うための携帯向け RPC プロトコルを設計し, Java のクライアントスタックと PHP のサーバスタックを実装した。

 

○ i アプリ用簡易ファイルシステム

i アプリ環境備え付けのスクラッチパッドというデータの永続化機能に替えて,各種データの操作を簡単に行えるように PC 上のファイルシステムでの操作と同様に「ファイルに名前をつけて保存」「名前を指定して読み出し」が可能になるファイルシステムライブラリを開発した。

 

 いずれの項目も,当初の目標を達成したのもとなっている。





 



10. PM評価とコメント


 開発者の 佐々木竹充さんは,筧PMが採択したプロジェクトの開発者の中でただ1人の会社勤務である。テーマ自身も,その会社において日常的に行っている開発業務の中で必要性をみつけたものである。

 

 先任の竹内PMからは,会社勤務の人は,未踏ソフトのプロジェクトをやること自体が職場で歓迎されていないケースもあって,そういうときにはPMがフォローしてあげないといけませんよ,という話を聞いていた。しかし,佐々木さんのケースでは,そうした心配はまったく不要であった。

 

 佐々木さんの仕事ぶりはじつに淡々としていて,当初の計画にそって着々とものを作り上げていった。中間発表会,最終発表会での報告を聞いても,そのシステムの作りも実にオーソドックスなものになっていて,いちゃもんをつけるのが難しい。“それだけできてしまうなら,もう一踏ん張りすれば当初計画を超えたところまでやれるんじゃあないの”と思ってしまうほど淡々としている。会社でプログラミング開発を行って飯を食っているプロなら(プロだから)予定通り,計画通りのことをきちんきちんとこなすんです,というのかもしれないし,実はPMに見えないだけで一踏ん張りも二踏ん張りもしてプロジェクトを遂行したのかもしれない。でも,あくまで淡々としていて,すごい,これはスーパークリエーターだね,と言わせる迫力に不足する。損といえば損な人である。


  当初予定のところまでシステムは仕上がったけれど,将来的な目標,としていた“ 開発 ベンダ向けの製品として販売 ”するには,まだまだ機能を追加し,性能を上げる必要がある。ご本人が最終報告書に書いている通り,吐き出すコードのサイズを小さくする工夫,コンポーネントの充実などを行って,早い時期に製品として出荷できるところまでこぎ着けて欲しいものである。そう,佐々木さんなら淡々とやり遂げるに違いない。


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