IPA


IPAトップ





2004年度未踏ソフトウェア創造事業(未踏ユース)  採択案件評価書


 



1.担当PM


 筧 捷彦   (早稲田大学教授)



2.採択者氏名


 代表者

山本 峰章 

共同開発者

なし



3.プロジェクト管理組織


 株式会社 びぎねっと



4.委託支払金額


 2,070,947円



5.テーマ名


 日本語プログラミング言語の開発



6.関連Webサイト


  http://nadesi.com/



7.プロジェクト概要


  日本語によるプログラミングが,初心者にもやさしく,熟達者にも実用的になるプログラミング言語を設計し,その開発環境を提供することを目的とする。合わせて,そのプログラミング言語でのプログラミング入門となるテキストなども用意する。開発者は,すでにこうした試みを展開してきており,その経験をもとに,よりよい,そしてオブジェクト指向も徹底して取り込んだ日本語プログラミング言語の開発を行った。



8.採択理由


  日本語プログラミングの試み。すでに実績もある。今回は,分かち書きに頼らないで日本語らしい表記法で書けるようにする。自然言語処理での形態素解析にこだわらず,助詞によって区切る,という類いの処理で対処したいとする。
 辞書をもたすのは配付ソフトサイズが大きくなりすぎるので捨てたいからである。
 日本語プログラミングの定着に向けて着実な成果を期待できる。




9.成果概要


 

新たに“なでしこ”と名付けた日本語プログラミング言語を定め,そのプログラミング環境を開発して,広くダウンロードして使ってもらえる形で公開している。“ひまわり”から継続しての愛好者ばかりでなく,多くの利用者をすでに獲得するにいたっている。

 

日本語プログラミング言語“なでしこ”では,開発目標であった,分かち書きを必要としない,自然な日本語として手順を書き表すことが可能になっている。またオブジェクト指向の考え方を大幅に取り入れた設計ともなっている。さらに, 定型処理のための命令を 770 個以上も組み込んで,業務をこなすためのプログラムを手軽に作成することができるように仕上げている。加えて,これらの命令をうまく選び出す −日本語の単語を選び出す,と言い換えてもよい− ための命令一覧を備えたエディタを用意して,プログラミングが簡単に行える環境も提供している。

 

“なでしこ”で書いたプログラムは,インタプリタで動作するが,そのエンジン部分を工夫してでき上がったアプリケーション自身を配付する際のファイルサイズを小さく収めることも実現している。

 

こうした“なでしこ”すべては,つぎのところで公開している。

http://nadesi.com/

このサイトには,マニュアルや命令一覧ばかりでなく,開発者自らが提供している掲示板も用意して,利用者の便宜を図っている。





 



10. PM評価とコメント


 開発者の 山本峰章さんは,いってみれば,個人事業者である。正確にいうと,“個人事業者”と世の中でいうのに当たるのかどうかわからない。正直なところ,PMにはどうやって食っておられるのかさえ理解できない方である。その山本さんが,この半年,すべてを注いで作りあげたものが“なでしこ”である。

  PMが関与するまでもなく,着々とことを進めて,公開まで済ませてしまった。なかなかのできであるし,この“なでしこ”に注ぐ愛情も尋常を超えている。プロ管が心配したのも,事業の進捗ではなく,いかにすれば,この愛情と能力をご本人の生活も保証できる形の収入につなぐことができるかであったという。ご本人は,今度は“本ちゃん”の未踏ソフトに応募する積もりでおられる。是非是非そうしてもらいたいものである。そして,その中でビジネスとして成り立たせる道を見つけてもらいたいと思う。

 さらに“なでしこ”を発展させ普及させたい,というのが開発者の希望であるし,PMもそうしてもらいたいと考えている。それも,現状のように“仙人”としてではなく,ちゃんとこの活動そのものから収入が得られる方式を編み出した上でやってもらいたいものである。

 

 “なでしこ”そのものについていうと,“なでしこ”自身を使ってそのライブラリ(命令群)が便利に開発していける方策を確立したい。つまり,オブジェクト指向でいう“継承”の機能を,単なるテキストの取り込みのレベルを超えて実現したいのである。




  ページトップへ   






  Copyright(c) Information-technology Promotion Agency, Japan. All rights reserved 2004