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組み込み分野におけるソフトウェア開発において,異なるプラットフォーム間で開発資産を流用することは,今日切望されている課題の一つである。本プロジェクトでは,そのような組み込みシステムに対するミドルウェアを創作し,それを流通・普及・実用化させることを目的とする。これを実現するため,我々は本プロジェクトを,応募者は最高のプログラミングスキルを持ち,それによって最高品質のソフトウェアを創作する責務を担い,プロジェクトマネージャ(PM)は応募者が創作したソフトウェアに対する普及・実用化に対する責務を担うという,PMと応募者との間の共同プロジェクトと考えている。
我々は,本プロジェクトで発掘・支援するスーパークリエータ・天才プログラマを次のように定義してプロジェクトの運営を行った。まず,優れた発想をする人と,優れたコードを書き実益のあるソフトウェアを作る人が一致していればよいが,実際にはそのような例は希である。次に,優れた発想をする人を支援する機会は多いが実益のあるソフトウェアを作りあげる人を支援する機会は少ない。さらに,組み込みコミュニティを支えているのは実益のあるソフトウェアを作りあげている人である。これらのことから,我々はスーパークリエータ・天才プログラマを着実で実益のあるソフトウェアを作成できる人と定義し,本プロジェクトではこのような人を発掘し支援することを目的とした。
このため,本プロジェクトで応募対象としたソフトウェアはアイデアの新規性や創造性を求めたものでなく,むしろ地道で有用性の高い機能を扱うもの,できるだけ多くのユーザが予想される一般的かつ基礎的なものとした。また,組み込みシステムでの利用を目的とし,様々な組み込み用ハードウェア上で動作する高い移植性を有することを求めている。さらに,本プロジェクトは組み込みシステムに対するミドルウェアを創作・流通・普及・実用化を目的としているため,成果物はオープンソース化し無償で提供することを求めている。
本プロジェクトには12件の応募があった。これらの応募者に対し書類審査と面接を行い,本プロジェクトではそのうちの4件を採用した。採用に関して,組み込みソフトウェアとしてのテーマとの適合性と実施計画の妥当性を基準とした。
本プロジェクトで採択したプロジェクトのすべてが,実働を伴う成果を出した。8月24日に開催された最終報告会には全プロジェクトが参加し,プロジェクトマネージャの前でプレゼンテーションと実機上でのデモンストレーションを行った。何件かのプロジェクトでは,現在成果をwebに公開している。また利用者からのフィードバックを得ているものもあり,いくつかの実用的なソフトウェアが開発され,全体として満足の行くものであったといえる。10月にはYRPユビキタス・ネットワーキング研究所にて成果発表会を開催する予定である。
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