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本プロジェクトは,組み込みシステム向け情報家電プロトコルスタックとして UPnP (Universal Plug and Play)
を実装したものである。プロジェクト応募者がすでに開発し,公開している,C++言語で書かれた UPnPプロトコルスタック「CyberLink
for C++」「Cyberlink for Java」をベースに,組み込みOSへの対応,C言語への対応をはかった。
Cyberlink は,本プロジェクトの応募者が開発した,Linux, MacOSX, Windows上で動作する,UPnPのプロトコルスタックミドルウェアである。近年になって,商用を含めUPnPプロトコルスタック提供者は増加しているが,現在でもオープンソースで提供されているC++言語またはJava版のUPnPプロトコルスタックは
Cyberlink が世界唯一のものである。
既存の Cyberlink は C++ 言語または Java で実装されており,両者は近年の処理性能向上が著しいPCのような,処理性能の高いプラットフォームを暗黙の前提としていた。このプロジェクトは,このCyberlink
に組み込み開発環境であるT-Engineや μITRON に対応させ,またC言語で実装された軽量機能版を追加し,組み込み機器向けオープンソースの
UPnP プロトコルスタックミドルウェアを提供することにある。これにより,T-Engineのような,これから組み込み系で幅広く利用が期待される環境下で情報家電プロトコルスタックUPnP
を使用できるようになる。
今後情報家電がネットワーク接続され,相互に協調して動作する環境はますます増えていくことが考えられる。一方で,これまで情報家電に代表される組み込み機器は,それぞれが個別に開発されたものが多く,とくに開発ベンダをまたいで開発資産を共有することは困難であった。このような開発資産を共有するための共通プラットフォームであるT-Engine上に情報家電プロトコルスタックのような,基本的なミドルウェアがオープンソースで提供されることは,組み込みシステム開発の上で大いに有用である。また,組み込みシステムは,パーソナルコンピュータシステムなどに比べ,計算機資源の量やCPU性能において劣るものである。また,省電力の観点やコストの観点から,できるだけ実行負荷や利用資源が小さいことが強く要求されている。
このような考察から,CyberlinkのようなUPnPプロトコルスタックが組み込みシステム環境下で提供されること,またそのスタックが軽量であることは,組み込みシステム開発におけるニーズと一致するものである。従って,Cyberlinkが組み込みシステム環境上で利用可能になることに期待している。
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