
2004年度第2回未踏ソフトウェア創造事業 採択案件評価書

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1.担当PM

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石田 亨 (京都大学大学院 情報学研究科 教授)
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2.採択者氏名

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倉光 君郎 (横浜国立大学 工学研究院 講師) |
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共同開発者 |
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なし
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4.委託金支払額

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5,190,931円
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5.テーマ名

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LWO 軽量なWEBオントロジーレポジトリの開発
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7.テーマ概要

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本プロジェクトは, 軽量なWebオントロジ(Lightweight Web Ontology )の流通・利用基盤を支えるソフトウェアの整備を目標とする.
LWOは, 各サイトが提供するボキャブラリとその間のマッピングのみで構成され, 異種ボキャブラリを用いるアプリケーションの相互運用性に特化した独自技術である.
従来のオントロジ技術に比べ軽量化をはかり, ユビキタスコンピューティング分野でのアプリケーション相互運用性を対象として技術開発を進め,
基盤技術(インフラストラクチャ)の確立を目指している.
本プロジェクトは, 様々な分野のアプリケーション開発者にLWOを提供し, セマンティックコンピューティングを開拓する一歩である.
基本的なLWO機能をリファレンス実装として開発し, 特別な知識がなくてもLWOを利用できるソフトウェアを創造する.
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8.採択理由

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複雑なオントロジーマッピングを扱うのではなく,
単純な単語のマッピングを格納するレポジトリを開発しようとしている. 単語のマッピングだけで, どこまで有用なシステムができるのか興味を感じる.
適切にドメインを選べば, 有用なツールとなるだろう. マッピングを蓄積するためにはコラボレーション環境が必要で, そこではマッピングが成立するコンテクストの表現が問題となるだろう.
単語のマッピングに制限しても, 多くの課題が残されており, 適切にデザインすれば, 単純だが強力なツールが生まれる可能性がある.
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9.開発目標

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本プロジェクトは, LWOの基盤となる基本ソフトウェアを開発することを目標としている.
具体的な開発対象は次のとおりである.
(1) LWOの流通システム, 編集システム
LWOは広域分散システムであるので, Web/XMLなど既存の標準技術に準拠するだけでは不十分で, システムの設計自体がシンプルであることが重要である.
本プロジェクトでは, LWO仕様化と平行して, リファレンス実装として流通・編集システムの開発を進め, 普通の開発者がシステムを改良できることを目標とする.
(2)プログラミング言語からの利用システム
アプリケーション開発者は, セマンティックWebやLWOの学習をすることなく, 自然にLWOの目標とするアプリケーションの相互運用性を達成できることが望ましい.
LWOライブラリ機能の野心的な目標として, プログラマがLWOの利用を意識することなく利用できる枠組みを創造することを掲げた.
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10.進捗概要

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LWOの流通システム, 編集システムに関しては当初の予定をおおむね達成し,
更にプログラミング言語からの利用システムに関しては, 当初計画をしのぐ進捗がみられた. それぞれ, 以下に概要をまとめる.
(1) LWOの流通システム, 編集システムの進捗
流通, 編集システムは, Apache/CGI技術ベースで開発を進めた. 特に, XMLやHTTPを用いるだけで, 大量ボキャブラリの配布やボキャブラリ間のマッピングの相互参照を実現するトラックバック機能を実現した.
これにより, Webプログラマであれば簡単にLWOシステムを組み込める程度のシンプルさを達成した.
(2)プログラミング言語からの利用システムの進捗
LWOシステムをオブジェクト指向モデルへ統合したプログラミング言語MERLOTの設計とプロトタイプシステムの開発を進めた. String型などの基本型にメタ情報としてLWOを統合することで,
プログラマは特別な意識なく, 異なるドメインの情報を統合したアプリケーションを開発できる機構を実現した.
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11.成果

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事業年度内の成果は, 以下のとおりである.
(1) LWOの流通システム, 編集システムの成果
流通, 編集システムは, pythonで開発され, Apache/CGIシステム上で動作する. HTMLやXMLベースのLWO配信機能,
CGIベースのLWO編集機能, LWOサーバ間の自動相互参照トラックバック機能を備えている. データベースは, Berkley
DBを用い, 特別な設定なくインストールできる.
(2) MERLOTプログラミング言語
MERLOTプログラミング言語は, LWOに関する専用の命令を備えたVMを持った新しいスクリプト言語である. LWO検索機能は,
MERLOTの型検査システムとして統合されている. C言語で開発され, UNIXやWindows上で動作する.
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12.プロジェクト評価

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採択時に予想していたより面白い展開になった. 新しいプログラミング言語の開発に着手するのは大きな賭けであったが, 短期間で動くところまで開発できたのは,
担当者の力量によるものである.
LWOの必要性は多くの人々が自然に感じるものだが, 形にするのは難しい. 今回のように, プログラミング言語化するのも一つの方法だろう.
今後はWebの刻々変化する情報をプログラミング言語に持ち込むことが有効な応用を提示していくことが必要である. 基盤技術(インフラストラクチャ)としての確立も,
応用がなければ難しい. 今後の奮闘を期待したい.
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13.今後の課題

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MERLOT言語開発を継続しLWOプロジェクトを進める予定である.
その際には, パフォーマンスと安全性の観点から, LWOとプログラミング言語の統合を再評価する必要があるだろう.
また, MERLOT言語を普及させるためには, セマンティックコンピューティングだけではなく, セキュアプログラミングや組込みプログラミングなど,
新しいプログラミング市場への技術開発とマーケッティングを進めることが重要である.
MERLOT言語をWebで公開し, ダウンロードを可能とすることも必要である.
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