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2004年度第1回未踏ソフトウェア創造事業  採択案件評価書


 



1.担当PM


 酒井 裕司 (株式会社イグナイトジャパン ジェネラルパートナー)



2.採択者氏名


 代表者

池添 浩之(株式会社グッデイ オープンソース開発部)

共同開発者

福澤 俊(株式会社トレス・トーレス)



3.プロジェクト管理組織


 アイティメディア株式会社



4.委託金支払額


 9,721,066円



5.テーマ名


 効率的な情報アクセスを可能にするブラウザの開発



6.関連Webサイト


 http://kazehakase.sourceforge.jp/ (英語)

 http://kazehakase.sourceforge.jp/ja/ (日本語)

 http://gabu.sakura.ne.jp/kazehakase/



7.テーマ概要


 当プロジェクトは、Linux上で動作する「風博士」というブラウザを開発するプロジェクトである。




8.採択理由


 ブラウザーということで、採択に関して躊躇もありましたが、Weblogブームなど刻々とニーズにも変化があり、かつ、サイトの状況から利用者からのまめなフィードバックを受けて開発する取り組みを感じましたのであえて採択させて頂きました。



9.開発目標


 IEの登場により寡占化されたブラウザ市場はプラットフォームの展開以外には、その進歩も停滞していた。ただし、最近のFireFoxの台頭でも明らかなように、明らかな便利さがあればユーザーはついてくる。
 日常もっともよく利用するツールとして、誰でも使える便利な機能を継続的な改良を加えていくことが当プロジェクトの目的となる。そのために、継続的にコードを公開し、定期的継続的にユーザーの要望を取り入れていく。




10.進捗概要


 最新バージョンの総行数
 85,506 行
 未踏採択直前のバージョンの総行数
 45,462 行
 実装した機能
 ・履歴内全文検索
 ・サムネイルを使ったインターフェース
 ・共有ブックマーク
 ・レンダリングエンジン切替え
 ・Migemo によるページ内インクリメンタル検索

 

 もっとも特出した機能
 ・履歴内全文検索
  一度でも見たページの内容全てを検索対象に瞬時に検索が行える




11.成果


 概ね、予定された機能の実装を行い、
 ただし、計画していた機能のURI 辞書内蔵実装は断念した、これはGoogle Japan が同様の機能を発表したが全く話題にならなかったため実装をしなかった。ことによる。
 結果として、
 最新バージョンの総行数
 85,506 行
 未踏採択直前のバージョンの総行数
 45,462 行
 未踏採択直前のバージョンと最新バージョンとの差分行数
 57,193 行
 となった。

 

 成果である、コードと実行モジュールはプロジェクト終了後も、継続的に
 http://gabu.sakura.ne.jp/kazehakase/
 にて成果が公開され、確認することが出来る。




12.プロジェクト評価


 ブラウザは対象コンテンツとプラットフォーム展開以外に基本機能において差別化が困難なアプリケーションとなる。ただし、きわめてよく使うアプリケーションであるが故に、細かな使い勝手、インターネット標準の変遷にしたがった改良、パフォーマンスなど継続的な改良が重要であり、既存製品に関してもIE寡占状態の中でオペラ、FireFoxあるいは、国内のアクセスのように、独自の使い勝手、独自のプラットフォームにて評価されている製品が多い。
 当プロジェクトは、その継続性と細かな使い勝手において、プロジェクト採用期間においても大きな進歩を示してくれたと考えている。ただし、その反面、常に新しい刺激を求める開発者にとって、この継続性は束縛と感じられ始めているようだ。また、ブラウザというアプリケーションの性格から、機能追加のある段階に達すると、メンテナンス、新機能、複数プラットフォーム展開などで必要とされる開発リソースは急激にふくらんでしまう。
 提案者である池添氏は、複数の個人的な協力者をオーガナイズする力量を持っているが、彼自身が当初目的とした「おばあちゃんにも使えるブラウザ」であるためのプラットフォーム展開やその後のメンテナンスまでをも射程に入れたチーム拡張に対するブレークスルーをプロジェクト期間中に行うことは難しかったようだ。



13.今後の課題


 a.風博士プロジェクト自身に関していえば、彼自身が、実装しておもしろい新機能を見つけられるか
 b.ある期間、閉塞的でつまらないと思える実装も執行する継続力の強化
 c.もっと大規模な形で他人を巻き込む組織力

 

 この、a,b,cのどれかに課題があるだろう。あるいは、当プロジェクトでの経験を生かして、よりシンプルで汎用性のある他のアプリケーションを手がけることに池添氏の未来があるのかもしれない。


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