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2004年度第1回未踏ソフトウェア創造事業  採択案件評価書


 



1.担当PM


 中島 達夫早稲田大学 理工学部コンピュータ・ネットワーク工学科 教授



2.採択者氏名


 代表者

本田 晋也(名古屋大学 情報連携基盤センター 研究員)

共同開発者

なし



3.プロジェクト管理組織


 NPO法人 TOPPERSプロジェクト



4.委託金支払額


 9,846,582円



5.テーマ名


 マルチプロセッサシステムに対応したシステムレベル開発環境の開発



6.関連Webサイト


 



7.テーマ概要


 昨年度未踏ソフトウェア事業の支援により、システムレベル開発環境SystemBuilderを開発した。本システムは、組込みシステムをC言語で記述し、その記述に対して、ソフトウェアとハードウェアへの分割方法を指定すると、その分割方法に従って実装記述を生成する。一方、近年組込みシステム開発においては、高機能化と消費電力の両方を満足する方法として、複数のプロセッサでシステムを構成するマルチプロセッサシステムに注目が集まっている。そこで、SystemBuilderをマルチプロセッサシステムに対応させる。具体的には、ソフトウェア化する機能を複数のプロセッサにマッピング可能にする。同時に、SystemBuilderの汎用を高めるための開発も行う。また、生成したコードを動作させるためには、マルチプロセッサ用のリアルタイムOSが必要になる、そこで、ITRON仕様のリアルタイムOSであるTOPPERS/JSP カーネルをマルチプロセッサに対応させる。



8.採択理由


 組込みシステムのマルチプロセッサ化はこれからの大きな流れになると思われる. 本提案では, マルチプロセッサ化したシステムのためのシステムレベル開発環境を開発するというものである. マルチプロセッサ環境を支援するシステムレベル支援環境は研究的にもチャレンジングな課題であり, かつ, 本提案は実用化に向けた検討もしているので, 社会的にも大きなインパクトがある.



9.開発目標


 以下の項目について開発を行う。

 1. SystemBuilderのマルチプロセッサ対応

  昨年度開発したシングルプロセッサシステムをサポートした、SystemBuilderのマルチプロセッサシステムへの対応として、ソフトウェア化する機能を複数のプロセッサにマッピング可能なように拡張する。

 2. マルチプロセッサ用リアルタイムOSの開発

  SystemBuilderで生成したソフトウェアを動作させるためのRTOSを開発する.
  具体的には、ITRON仕様のリアルタイムOSであるTOPPERS/JSPカーネルをマルチプロセッサに対応させる。

 3. マルチプロセッサ用ハードウェアの開発

  開発するマルチプロセッサ用リアルタイムOSを動作させるために必要なハードウェアを開発。

 4. SystemBuilderの拡張

  SystemBuilderの汎用性を高めるため、サポートするRTOS,バス,FPGAを増やす。



10.進捗概要


 実施期間の前半では、マルチプロセッサ用のリアルタイムOSの開発及び、マルチプロセッサ用のハードウェアの開発を進めた。SystemBuilderの拡張については、実施期間の全体を通して進めた。実施期間の後半では、SystemBuilderのマルチプロセッサ対応を進めた。また、実施期間全体を通して、開発ソフトウェアのテスト、マニュアル、チュートリアルの作成を(株)ソリトンシステムズに再委託した。




11.成果


 開発成果は以下の通りである。

 1. シングルプロセッサ用SystemBuilder

  RTOSとしてITRONとOSEKを、バスはOPB,Avalon,Memcを、XilinxとAlteraのFPGAをサポートする。
  C言語で記述されたシステムを1個のプロセッサとハードウェアに実装する。

 2. マルチプロセッサ用SystemBuilder

  RTOSとしてITRONを、バスはOPB、FPGAはXilinxをサポート。
  C言語で記述されたシステムを2個のプロセッサとハードウェアに実装する。

 3. TOPPERS/FDMP kernel

  マルチプロセッサシステムに対応したμITRON4.0仕様のリアルタイムカーネル。



12.プロジェクト評価


 開発者が開発したソフトウェアは、ハードウェア/ソフトウェアの協調設計を支援するツールである。ツールを用いることによりハードウェア部とITRON上のソフトウェア部を自動的に生成することを可能とする。今後の組込みシステムの開発効率を向上するために大変優れたツールであり、システムの完成度も実用的に使用することが可能であると思われる。また、本ツールは次世代の組込みシステムにおいて重要となるマルチコアの対応も考慮している。そのため、次世代の組込みシステム開発用のツールとして広く使用される可能性があると思われる。



13.今後の課題


 シングルプロセッサ用SystemBuilderに関しては実用化への取り組みを行う。ツールメーカと協力して評価ボードとセットした形のパッケージを開発する計画がある。マルチプロセッサ用SystemBuilderに関しては、現状ではハードウェアのアーキテクチャが固定されているという問題がある。そのため、ツールへのアーキテクチャの指定方法を検討し、様々なアーキテクチャをサポート可能にする。TOPPERS/FDMP kernelについては、コードレビューを行いTOPPERS プロジェクトから公開する。



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