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2004年度第1回未踏ソフトウェア創造事業  採択案件評価書


 



1.担当PM


  石田 亨 (京都大学大学院 情報学研究科 教授)



2.採択者氏名


 代表者

中山 浩太郎(大阪大学大学院 情報科学研究科

共同開発者

なし



3.プロジェクト管理組織


  株式会社大阪彩都総合研究所



4.委託金支払額


  5,682,619



5.テーマ名


  セマンティック Web によるプログラム自動生成エージェント



6.関連Webサイト


 http://www-nishio.ist.osaka-u.ac.jp/%7ek-nakayama/projects/ipa2004.html



7.テーマ概要

 

 セマンティック Web 技術を利用し, 人間からの命令を解析して, 適切なプログラムを自動生成・実行する統合的なエージェントシステムを開発する. 本システムの特徴は, グループウェア機能により, 日常生活の中から RDF データを取得しておき, プログラムの自動生成に利用する点である. これは, セマンティック Web において現在最も大きな問題となっているメタデータの不備を解決するためのアプローチの一つである. 例えば, グループウェアとして標準的なスケジュール管理機能・ドキュメント管理機能・掲示板(blog)機能などにより, スケジュール情報・ドキュメント情報・各種メタデータの蓄積を行う. これにより, 体系化された人間の行動履歴データを RDF で継続的に取得し, 再利用することで精度向上が可能となる.

 また, 本システムでは, セマンティック Web 技術をネイティブデータとして利用することにより, Web 上に公開されている RDF を取り入れ, 知識を拡張できる. さらに, Web を通じて組織間での情報共有や情報交換を行うことにより, 組織を超えた知識共有が実現できる. ここで重要なポイントは, 蓄積された RDF データに対し, 各種マイニングを行うことで新たな知識やオントロジーを自動で構築することである. データマイニングの際には, 分散データの中から統計的手法や進化的アプローチにより新たな知識・概念を抽出する. これにより, 組織内でのコモンセンスや業務領域に関するオントロジーを抽出し, プログラムの自動生成に利用する.



8.採択理由

 

  自然言語によるユーザの命令を解析し , グループウェアが蓄積する RDF データを用いて , Web サービスを連携させるシステムの提案している.全体構想は非常に大きいが , この計画では , 蓄積された RDF データを用いて Web サービスを連携させる部分に焦点を当てている . ベストプラクティスから連携を生み出すのは誰もが必要とする機能だろう . 中山さんの技術力と情熱で , 使えるシステムが生まれることを期待して採択した .



9.開発目標


 セマンティックWeb技術を利用し, 人間からの自然言語命令を解析して, 即時に適切なプログラムを自動生成・実行する統合的なエージェントシステムを開発する. このような実用性の高いエージェントシステムを構築することで, メタデータ構築の好循環を築き上げ, 最終的にはセマンティックWebのキラーアプリケーションとして業界標準となることを目指す.



10.進捗概要


 プロジェクトを進めていく中で,現在の技術では,Webサービス組み合わせ(Composition)の完全な自動化は困難であることを認識するに至り, 目標を変更している. Webサービスの発見・共有(Discover/Share)および実行に的を絞ってシステム開発が進められている.

 利用ユーザを明確化するために,エンジニア用モジュールと一般ユーザ用モジュールにシステムが分割されている.エンジニア用モジュールは,Webサービスに対してOWL-Sによるセマンティクスを付与するために利用する.また,一般ユーザ用モジュールは,ユーザとのダイアログによる概念抽出およびWebサービスの実行フロントエンドとして利用するものである. この2モジュールは, いまだ開発途上にある.



11.成果


 プロジェクトの生産物として, 5000行程度のソフトウェアが開発中であり, その2/3のテストが完了している. プロジェクト期間の終了時点では, 一部についてデモは可能であるが, 全体を見ることはできない.

 Webサイトは構築され, そのURLは以下のとおりである.
     http://www-nishio.ist.osaka-u.ac.jp/%7ek-nakayama/projects/ipa2004.html
 現時点では, このWebサイトから, ソフトウェアのダウンロードやサービスをの提供は受けられない.



12.プロジェクト評価


 セマンティックWeb技術を用いて, 自然言語によるWebサービスの連携を実現するという構想は, 当初から大きすぎると思われ, 焦点を絞るための議論が繰り返された. 時間的制約から, 構想全体の実現が不可能となった時点で計画が縮小されたが, 時既に遅く, 開発されたのは大きな構想の足回りの部分に過ぎない. 当初からの心配が現実となった.

 最終報告会で報告されたソフトウェアは, ディレクトリシステムとマイクロソフトエージェントとの対話インタフェースであり, 個別に動作する. 当初の構想を実現するための知的機能の実装は行われていない.



13.今後の課題


 構想を縮小し, 有用な機能の実装を進める必要がある. Webサイトで開発したソフトウェアを提供し, 社会に対して成果を示すことが求められる.


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