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2004年度第1回未踏ソフトウェア創造事業  採択案件評価書


 



1.担当PM

 原田 康徳 (NTT コミュニケーション科学基礎研究所 主任研究員)



2.採択者氏名


 代表者

尾上 耕一(東京大学大学院 新領域創成科学研究科)

共同開発者

なし



3.プロジェクト管理組織


 NTT出版株式会社



4.委託金支払額


 5,388,612円



5.テーマ名


 バーチャル砂場システムの開発



6.関連Webサイト


 http://www.museum.or.jp/CANVAS/wsc2005/workshop08.html



7.テーマ概要


 近年、仮想彫刻システム、仮想粘土細工システムのようにユーザが対話的にコンピュータ上で創作を行うためのシステムの開発が盛んに行われている。これらのシステムは本来CG(コンピュータグラフィクス)のためのモデリングを直感的に行うために開発されたものである。しかし、本来、彫刻や粘土細工は芸術の要素を帯びており、人間の感性を高めるという意味ではコンピュータ上での仮想的なシステムでも近い効果が得られるのではないかと考えられる。
 本プロジェクトでは、対話的に変形を行う対象を「砂」とした。砂もまた物体の作用によって容易に変形できるという点で粘土と似た性質を持っているが、自然に崩れるという性質は砂に特有のものである。また、枯山水庭園の敷砂に見られるように、砂によって表現される模様も芸術の要素をもち、人間の感性を高めるという機能も期待できる。一方、直感的なユーザインタフェースを備えることによって、子供のためのソフトウェアとしても有用になることが考えられる。
 本プロジェクトの目的は、PC上に砂場を再現するためのシステムを開発することである。このシステムによってユーザが対話的に物体を動かすことで、PC上で仮想的な砂場遊びをすることができる。例えば、バケツやシャベルで砂をすくったり、砂を運んだり、バケツを傾けて砂を落とすといった操作が可能である。子供(素人)でも使えるようにすることを目指すため、高価なワークステーション等を使わず、家庭にあるような一般的なPCを用いて動作させることも目標とする。



8.採択理由


 提案者が研究している砂場のCGシミュレーションを子供にも使いやすいようなシステムとして開発するという提案.研究の余地は多少残っているものの,ほとんど完成に近いように思えた.
 提案者は博士課程の3年目で,すでに十分な研究実績があるので,この1年はシステムの開発に十分な時間を裂けるということなので,採択した.また,本人にも,単なる研究で終わらせることなく,自分の技術が広く使われることを強く望んでいるという点も高く評価した.
 面接で見せて頂いたシステムは,ものすごい迫力で,これが子供用のインタフェースで生まれ変わるとひとつのブームになりそうである.



9.開発目標


 本プロジェクトは砂場のCGという開発者本人の研究成果を,誰でも使えるソフトウェアとして世の中に提供することを目標とした.また,この砂場CGの技術を核にして様々なアプリケーションが考えられることから,この部分をライブラリとして提供することも目標とした.具体的にはまずライブラリとして全体を整備しその後,そのライブラリを用いた砂場遊び用のソフトウェアをサンプルとして公開する.




10.進捗概要


 ライブラリを整理するにあたって,ソースを公開してよい部分とノウハウとして隠蔽したい部分との分離が必要であった.ライブラリSunabaLibはほぼ完成し,サンプルソフトウェア「バーチャル砂場遊び」に関しては,ユーザインタフェースの改良という課題が残されているものの,予定していた機能をすべて実現した.




11.成果


 以下に開発されたソフトウェアのスクリーンショットを紹介する.

 

バーチャル砂場遊びでつかうおもちゃ.スタンプ,フルイなどで砂の形状を変形させたり,うちわで扇いで風紋を起こしたりできる.

 

石庭シミュレータ.風紋を描いた上に石と模様を追加している.

実際に子供が使って描いた砂絵 実際の砂絵と違い,UNDOができたり,自分が描いた操作を記録して見ることができる.



12.プロジェクト評価


 当初の計画に沿ったライブラリ,応用ソフトウェアを作ることができた.イベントへの出展で自分のソフトウェアが数多くの子供たちに喜んで使ってもらえ,アンケートによるフィードバックも得ることができた.

 インターネットミュージアムによる紹介記事
 http://www.museum.or.jp/CANVAS/wsc2005/workshop08.html



13.今後の課題


 フィードバックを反映させて,より使いやすいソフトウェアに改造する点,ライブラリのドキュメントの公開があげられる.



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