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プロジェクト全体として、人間を楽にする(考える能力を減退させる)技術ではなく、人間を賢くする(考えることを支援する)技術の実現を目指した。これまで人間がやっていた仕事を無闇に自動化しても、仕事の質が下がり、必ずしも人々の生活の向上には結び付かないため、「人間の知的好奇心と知的活動への参加意欲」を増幅して「自分が賢くなれると同時に他人も賢くできる」あるいは「コミュニティや社会の知的生産性を高める」技術に関するプロジェクトを採択した。
具体的には、Webコンテンツにコメント等のメタ情報をつけて共有する仕組み、このようなメタ情報をさらに構造化する仕組み、オンラインの個人情報から抽出される人同士の関係を用いてコンテンツの信頼性を計算する仕組み、さらに、最も一般的な共同作業である会議を活性化する仕組みの提案と実現を行った。
各プロジェクトでは、システムを試作し実運用可能な状態にすることに成功している。ただし、世の中に大きなインパクトを与えるには今一歩という段階である。これは、ほぼ同様の機能を持つシステムがこれまでにまったく存在しなかったわけではないからである。つまり、発想の点で新規なのではなく、既存の仕組みに新たな視点と改良を加えたという性質のものなのである。しかし、今後、より明確なオリジナリティを持つものに発展するポテンシャルを持っていると判断できる。それはただ改良を加えるだけでなく既存のシステム(Webコンテンツへのアノテーションシステムやグループウェアなど)のどこに本質的な意義や問題があるかを十分に視野に入れてプロジェクトを遂行していたからである。
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