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以下では、本プロジェクトの成果である、1.アノテーションの入出力インタフェース、2.
アノテーション管理サーバー、3. メタデータ連携の応用システムについて順に説明する。
1.アノテーションの入出力インタフェース
本機能は、Web CMSを利用する原著者の意思にもとづき、アノテーションを付記したい、もしくは付記して貰いたいコンテンツのCMSに組み込む形で設置される。
原著者は、CMSのテンプレートやWebリソースにアノテーション管理CGIを呼び出すタグを一行挿入するという簡単な作業だけでシステムの利用を開始することができる。図2.1にWeb
CMSに挿入するタグと、その表示例を示す。
図2.1
ANNPOLYモードタグと表示例
さらに、入出力の表現様式や意味定義をテンプレートで任意に設定する機能を実現した。これにより、原著者は、アノテーションの表現形式を、付箋形式や投票形式にするといった変更のほか、アノテーション入力時に、例えば「自分のためのメモ」「原著者へのメッセージ」といったアノテーションプロパティを設定可能にして、定式化されたアノテータ意図を入力可能とすることができる。図2.2にテンプレートによるアノテーション入力および表現の変更例を示す。図2.2Aはいわゆる付箋形式で通常のアノテーションを実現したものである。入力者は、自由なコメントの入力や、プロパティを設定したアノテーションの入力ができる。図2.2Bは投票形式による入力と表示を実現したものである。アイコンで示されたボタンを押すことで、リソースへの賛意を示す、といったより簡便な利用が可能である。このように、汎用的に利用可能な形式や、投票のような比較的特定の目的で効果を発揮する形式を、テンプレートの記述により実現できるのは本システムの大きな特徴の一つである。
図2.2
XHTMLテンプレートによる入出力インタフェースの設定例
利用者は、専用ソフトやブラウザ用プラグインなどを要求されない。一般的なWebブラウザでCMSページにアクセスし、原著者により埋め込まれたタグ(例:
)をクリックすることで、本システムを利用することができる。アノテーション利用モードでは、任意のテキスト領域を選択し、テンプレートによって用意された入力形式で容易にアノテーションを付与することができる。新規アノテーションの付与は、対象文字列の選択とアノテーション付与JavaScriptの実行によって行われる。図2.3にアノテーションを新規に貼り付ける時のイメージを示す。
図2.3
アノテーションの新規付与
2.アノテーション管理サーバー

図2.4 システム構成図
Annpolyのシステムアーキテクチャを図2.4に示す。アノテーション管理サーバー「annotation.php」はPHPで記述されたCGIプログラムである。原著者やサービス提供者は、自身が持つWebサーバーにこれを設置して運用することができる。このCGIは、原著者等によりリソースに埋め込まれたタグから呼び出され、アノテーション入出力インタフェースを実現するJavascriptとDOMをリソースに内包したページを出力する。入出力インタフェースの表現形式及び意味定義を、設置者によって準備されたテンプレートに沿って構築するため、本サーバーはテンプレートの解釈エンジンを持つ。アノテータによる各入力項目は、対象URI及び選択文字列に対するメタデータとして、入出力インタフェースのJavascriptを介して、管理サーバーに蓄積される。蓄積されたメタデータは、設置者によるテンプレートに従って、リソースに付加した表現形式で出力される。あるいは、メタデータ連携の応用システムから自由に呼び出して利用することができる。
3.メタデータとの連携機能
アノテーション管理サーバーのアノテーション群とアノテーション付与先の原著メタデータを利用して原著をトランスコーディングするためのAPI機能を実装した。また、トランスコーディングのサービスプログラムとして、以下の各機能を実装した。
a. 文への民意的なDOI(Degree Of Interest)に基づく要約的表示機能
b. 投票形式インタフェースを用いた、投票結果に応じた文の強調表示機能
c. アノテーションプロパティを用いた記事のヒトコマ漫画的表現
d. アノテーションの入力時系列に沿った段階的表示機能
機能aの表示例を図2.5に示す。アノテーション行為を興味対象の表明と捉えて、その件数にもとづき、一文(。や.で区切る)を強調表示する。これにより、長文の中から興味が集中する箇所をとばし読みするといった要求に応えることができる。
機能bの表示例は図2.2Bで示されている。
機能cの表示例を図2.6に示す。リソースのメタデータや、アノテーションプロパティが選択可能なテンプレートによるアノテーション入力を用いて、リソースの評価や注目点をアイコニックに表現する。
図2.5
とばし読み用強調表示の例
図2.6
記事の漫画的表現の例
尚、本システムはhttp://www.annotation.jp/で試験的に公開されている。
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