本プロジェクトは、 Web 利用者の膨大なマンパワーを背景とする、人間が付与したアノテーションの流通促進によるメタデータの豊饒化を目標として掲げ、そのための基盤となる公共的アノテーションシステムを開発する。アノテーション入力者の視点から記されたメタデータは、既存メタデータだけでは開発困難なサービスや新しいコミュニケーション形態を生み出す可能性を秘めている。
開発するシステムは、 Web 上のリソースに対するアノテーション付与インタフェースとアノテーションの再利用を目的とする管理サーバから成る。アノテーション付与インタフェースは、コンテンツ配布者が設置する
CMS のプラグインタイプであり、 Web 閲覧者に特別なソフトのインストールを強要せず、誰でも手軽にアノテーションを入力してもらえる環境となるように設計する。アノテーションは、入力時に規定されたプロパティの設定が可能であり、単なるメッセージ以上の意図を反映させることができる。また、アノテーションは、それが付与されるコンテンツが存在するサーバ上にメタデータの形で保存され、
CMS の表示機能を利用して Web ブラウザ上に表示される。この際、大量のアノテーションによって対象コンテンツの表示が妨げられないように、必要に応じてフィルタリング可能な設計とする。一方、管理サーバは、リポジトリに保存されたアノテーション付きメタデータを管理するモジュールである。この管理サーバには、アノテーションを他サービスに転用可能なインタフェースをもたせる。
8.採択理由
コンテンツの意味的な拡張のためにアノテーション技術は不可欠である。
blog とアノテーション RDF(RSS の拡張 ) の組み合わせは新規のアイディアとは言い難いが、アノテーションを単なるコメントとして用いるのではなく、コンテンツの意味を考慮した加工に新しい可能性をもたらす(具体的には、文書の漫画要約など)点などを考慮して採択とする。ただし、今回は開発期間を考慮して、特定のプラットフォームに限定し、アノテーションの応用に重点を置いた研究開発に特化してもらう。