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中間成果で記述したものと様子が違ってきているので,少し詳しく説明する.開発されたのは,単なるStick
Editorではなく,Sticky Editor System (のプロトタイプ) である.
Sticky Editor Systemは,ユーザに対して実世界指向ユーザインターフェイスと「付箋」という実世界メタファを用いた定義手法を提供する.これらを提供することにより,協調動作定義の際の「デバイス,定義等の把握」,「定義手法の習得」におけるユーザの負担を軽減し,一般ユーザ自身による協調動作の定義と利用を実現する.古市
図2にSticky Editor Systemの構成図を示す.
古市 図2 Sticky Editor(左)とSticky
Board(右)

Sticky Editor Systemは,Sticky EditorとSticky
Boardの2つの動作定義アプリケーションと,多数のサービスコンポーネントにより構成されている.Sticky Editorは,付箋の実世界メタファを用いた定義手法を使い図・古市2
(左) のGUI: Sticky Editor内で付箋をサービスコンポーネント (機器) に貼り付けるという実世界行動を用いた定義手法を採用する.ユーザの「定義手法の習得」を軽減しながら,サービスコンポーネント間の協調動作定義を実現する.Sticky
Boardは,付箋の実世界メタファを用いた定義の操作手法を使い,図・古市2 (右) のGUI: Sticky Board内で付箋をBoardに貼り付けたり剥したりすることで,ユーザの「デバイス,定義等の把握」の負担を軽減しながら,複雑な協調動作定義を実現する.
サービスコンポーネントとは,デバイスやソフトウェアなどのネットワークコンポーネントを抽象化した概念である.サービスコンポーネントは本システムが提供するミドルウェアのAPIを使ってデバイス開発者やソフトウェア開発者により構築される.構築されたサービスコンポーネントはID
(名前,位置情報,認証情報など) と機器が持つ状態を保持することができる.サービスコンポーネントはお互いにメッセージを送りあうことで関係を持つことができる.サービスコンポーネント構築者は「どのような時に,だれにどのようなメッセージを送るか」,「どのメッセージを受信したときにどのような処理を行うか」を定義することでサービスコンポーネントを構築する.
サービスコンポーネントは,ビデオカメラ,TV,メールシステム,時計など,制御される機器やソフトを表すものと,それらの間をつなぎ,状態変化による制御メッセージを送信する付箋を表すものの2種類に分類される
(古市 図3).
Sticky Editorでは,古市 図4のようなGUIを使って,画面上の機器に古市 図1のような付箋を貼っていく (赤外線は使わない).
古市 図3 サービスコンポーネント概念図
古市 図4 Sticky Editor使用時のスクリーンショット
Sticky Boardは付箋を機器に直接貼るのではなく,ボード上に並べていく.こうすることにより複数枚の付箋を関係づけることができ,もう少し複雑な制御シーケンスを書けるようになる.また位置を同定しにくい対象の制御も可能になる.
これらのGUIや (公開できる) ミドルウェアを実装した上で,マルチボタン (叩く回数に応じて定義可能な多用途に使えるボタン)
やマルチタイマー (いろいろな機器を制御できる) によって実証実験を行なった.
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