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後期には新しい開発コンセプトが追加された.
Gather&Grooveである. これはより感動的なホン (本) や人への出会いを提供するコンセプトである. 以下, 和田君たちの報告からその部分を抄録する.
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Gather&Grooveの目的はネットワークを介して, 友達やTSUNAを介して知り合った人達同士が同じ時間, 同じ場所を共有し表現を行なえる「場」を提供することである.
従来のつながりのサイクルTSUNAにGather&Grooveのコンセプトが加わることで, ヒトが集まる「場」そのものを魅力的なものにし,
「場」に惹かれることによって生じるヒトとの出会い, そしてTSUNAによって実現する新たな曲との出会いをより感動的なものにすることができるのではないかと考えられる.
このようなつながりのサイクルTSUNAを実現し, Gather&Grooveにより「場」を提供する未来の本棚を物理的な本棚として実現したいが,
現時点では一般的にRFIDやリーダー・ライターが普及されておらず実現不可能である. 今後, RFID環境を搭載した本棚のプロトタイプを作るにあたって,
「つながり」のサイクルの仕組みをしっかりと見極めて, 固めておく必要がある.
前期のビルドに加えて, 後期においては「場」の概念を取り入れたGahter&GrooveをGGという機能で実装した. 未来の本棚つくりに向け,
様々なコンテキストでGather&Grooveというコンセプトがどのように実現されるかを検証するための重要な第一歩である.
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以上のコンセプト追加と, 前期のビルドに対する評価から, 後期の開発は次のように行なった.
(1) 本棚的なインタフェース
前期の成果物であるVACUUN!では人と曲とのつながり, 曲を介した人と人とのつながりを, 掃除機を使ったメタファーで表現したが,
実際に使用してみると当初再現したいと考えていた友達の本棚をみるときのワクワク感が今ひとつ感じられないというフィードバックを得た.
そのため以下のようなインタフェースを実現することにより, 本棚を見るときのワクワク感とユーザビリティの向上を図った.
・本棚のように本が背表紙を向けて並べられていて一覧性に優れたインタフェース
・Aさんの本棚→曲Aを持っている人→Bさんの本棚→曲Bを持っている人・・・と次々に閲覧できるインタフェース
(2) GG機能
Gather&Grooveは, ヒトとモノで形成されていた「つながり」のサイクルに, 新たに時間と場所というパラメータを加えたものである.
これにより, 「つながり」のサイクルによってつながったヒト (他のユーザ) と, 時間と場所を共有し, さらに同じ曲というモノを介して集まるGatherという行為と,
さらにそこで曲に「ノル」ことで曲に対する盛り上がりを表現するGrooveという行為を可能にする.
和田 図2はGGの機能コンセプトを示したものである.
和田 図2 GGコンセプト図
本プロジェクトではGather&Grooveにおける場所の共有点は考慮せず,
時間の共有による「場」の提供に重点を置き, GG機能としてVACUUN!に追加する形で実現した. GG機能は以下のユースケースによって実装される.
・友達が今何の曲を聴いているのかを見る
・同じアーティストを聞いている人を見る
・曲を聴いて「ノル」
・友達/自分の「ノリ」を見る
これに伴い, TSUNA及びGather&Grooveコミュニケーションを可能にするアーキテクチャの考案・構築した. 和田 図3はVACUUN!の後期アーキテクチャを示している.
GG機能は「場」の共有に関して面白い特徴をもつ. 同じ時間を共有するリアルタイムコミュニケーションは互いへの影響力が強い. たとえば,
インスタントメッセンジャーでは, あらかじめ登録しておいた友達がオンラインかどうかをリストから知ることができ, オンラインならばチャットをすることができる.
インスタントメッセンジャーでは見知らぬ人を登録したり, 新しい友達に出会ったりすることはあまりない.
しかし, VACUUN!ではTSUNAを介してつながった人とGG機能を通じて, 間接的にリアルタイムにコミュニケーションを行なうことができる
(和田 図4). 見知らぬ人でもTSUNAを介して知り合った人, つまり同じ曲や似た曲をたくさん持っている人ならばその分信頼も増しリアルタイムのコミュニケーションが可能になる.
さらにGrooveボタンを押してアイコンの大きさを大きくするという「ノリ」の表現により「ゆるい」リアルタイムのコミュニケーションが可能になる.
和田 図3 VACUUN! 後期アーキテクチャ図
和田 図4 BrowserGG機能部スクリーンショット
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