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1.担当PM
鵜飼 文敏 (日本ヒューレット・パッカード株式会社 ヒューレットパッカード研究所 主幹研究員 )
2.採択者氏名
代表者
:
内藤 竜治(ナヒテック 代表)
共同開発者
なし
3.プロジェクト管理組織
日本エンジェルズ・インベストメント株式会社
4.委託金支払額
11,000,000円
5.テーマ名
包括的JTAGサポートソフトウェアの開発
6.関連Webサイト
http://www.nahitech.com/jtag/
7.プロジェクト概要
JTAG(IEEE1149.1)という、ICチップなどの動作テストを行うための規格がある。これを活用すれば、組み込みソフトウェアの開発効率は飛躍的に高まり、CPUだけではなく各種の周辺チップも含めて同一のソフトウェアからデバッグが可能になる。このJTAGというIEEEで規格化された電子回路の検査手順を実現するオープンソースソフトウェアを開発し、中小企業などのハードウェア開発者が、よりよいデバッグ環境を安価に構築できるようにする。
8.採択理由
組み込みソフトウェア開発において開発効率を高めることができるJTAGサポートソフトウェアを自由なソフトウェアとして開発しようというのを評価しました。 ソフトウェアの世界では初期の段階でGCCやGDBなどが開発され、これにより自由なソフトウェアを開発する世界が発展してきましたが、オープンハードウェアのような話になると、開発に必要になる機材の入手が高価だったりしてなかなか発展するのが難しいようです。提案者は、これまでも特定のJTAGサポートソフトウェアの開発の実績もあり遂行能力は高いと判断しました。
9.開発目標
これまでのフリーのJTAG対応ソフトウェアのようにターゲットとなるIC,PLD,CPU個別に対応したソフトウェアを作るのではなく、多種多様なJTAG対応デバイスを統一的に扱えるようなフレームワークを開発し、様々な物理インターフェースに対応できるJTAG対応ソフトウェアを開発する。GUIを使った直感的に理解しやすいインターフェースを提供する。
10.進捗概要
11月にはWindows版バイナリを http://www.nahitech.com/jtag/ で公開できた。 2月には、gEDAメーリングリストで公表し、Linux/Gtk版も同じくhttp://www.nahitech.com/jtag/ で公開できた。 2月14日、15日の未踏成果発表会においてプレゼンテーションおよび動作デモなどをおこなった。
11.成果
様々なデバイスをリアルタイムにバウンダリスキャンをおこないピン状態を可視化する機能が実装できた。リアルタイムに表示するだけでなく、一定期間のデータを蓄えて入出力信号の波形を表示する機能も実装できている。BSDLファイルを読みこむことで、様々なデヴァイスに対応できるようになっている。JTAGにアクセスするためのいろいろな物理インターフェースにも対応できるように、ケーブルにアクセスする層はプラグイン可能にしてある。また、仮想的なケーブルデバイスとしてTCP/IPをつかうことができるようになっており、これを利用すればリモートのJTAGデバイスも調べることが可能となる。 それらの操作を行うためのライブラリと、それらを利用したGUI版アプリケーションが開発できており、http://www.nahitech.com/jtag/ においてWindows版およびLinux/Gtk版が公開されている。
12.プロジェクト評価
本プロジェクトで開発されたのは、JTAGを扱うライブラリとそれを利用したWindows版およびLinux/Gtk版のアプリケーションである。従来JTAGアプリケーションは個別のICをターゲットにしたソフトウェアであったが、本プロジェクトで開発されたソフトウェアでは、ICに対応したBSDLファイルなどを用意することで様々なJTAGハードウェアに対応することができるようになっている。ICを自動的に判断したりリアルタイムにバウンダリスキャンが実行できるなど実用度も高い。 最初のバージョンが完成したばかりなので、まだまだ安定していない部分もあるが、gEDAコミュニティに公表し、すでにフィードバックなども受けているので上手に育てていくことでこれから改良改善が進み普及していくのではないかと思われる。JTAGを操作する部分をライブラリ化してあるので、これを利用した様々なJTAGアプリケーションの開発がおこなわれていけば、JTAGを使ったハードウェア開発で利用できるオープンソースソフトウェアの世界が発展していくことが期待される。
13.今後の課題
今後の課題としては、フラッシュROMやPLD書きこみの対象デバイスの拡充、TCP/IPサポートの性能改善、物理インターフェースサポートの拡充、GUI以外のインターフェースの開発等が課題である。また、マニュアルやヘルプなどのドキュメントが不足しているのでそれらを充実していくことが、これからコントリビュータを増やしていくためにも必要である。 本プロジェクトで開発したソフトウェアはgEDAコミュニティに公表されオープンソースソフトウェアとして広く配布しているが、ユーザからのフィードバックをうけて継続的に開発を続けていく体制ができるかどうかがこれからの課題となる。
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