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IPAについて

プレス発表 組込みソフトウェア開発向けコーディング作法ガイド(ESCR)を改訂

C言語規格C99に準拠し、最新版MISRA C(*1)に対応する

2013年11月20日
独立行政法人情報処理推進機構

  IPA(独立行政法人情報処理推進機構、理事長:藤江 一正)SEC(ソフトウェア高信頼化センター)は、ソースコード品質を向上させるためのコーディング作法ガイド「ESCR」をC言語の新規格に対応する改訂に取り組み、2014年3月に書籍化して発行する予定です。

 組込みシステムは、自動車、産業機械などあらゆる製品に内蔵され、製品の付加価値の源泉となる一方、システムを構成するソフトウェアの不具合により重大な事故につながる恐れがあります。
 IPA/SECでは、組込みソフトウェアにおけるソースコードの品質向上を目的として、ソースコード記述の作業過程であるコーディングの際に注意すべき事項やノウハウをルール集とした「組込みソフトウェア開発向けコーディング作法ガイド」(ESCR)をC言語とC++言語に対応して整備しています。ESCRは、コーディングにおける個人のスキル差によるばらつきを解消して一定の品質を維持するとともに、コーディング時に誤りが入らないように、また、たとえ誤りが混入したとしても早期に発見できるようにするためのガイドです。

 ESCR[C言語版]は2006年6月にVer. 1.0(翌年一部改訂しVer. 1.1)を刊行以来、これまでPDF版ダウンロードを含め延べ約3万冊が利用されています。組織内のコーディングルールを決める際の参考として利用され、ソースコード品質や生産性の向上に有効との評価(*2)を受けているほか、ソフトウェア開発ツールの国内ベンダー4社によって、ESCRに基づくコードチェック機能を実装したツールが提供されています。
 今回取り組んでいる改訂は、最新のC言語規格(C99)に対応するとともに、ESCRと相互引用している欧州組込み業界標準の「MISRA C」の改訂(MISRA C:2012)に合わせるために実施するもので、6年ぶりの改訂(Ver. 2.0)となります。MISRA Cは、欧州のみならず、例えばわが国の自動車業界においても推奨するコーディングガイドラインとして指定されています。また、最近、組込みソフトウェアの調達において、何らかのコーディング作法に従って開発されていることを要件とする製品が多くなっていることから、MISRA Cと同等で相互運用可能なESCRは、組込みソフトウェア業界にとって有効なガイドと言えます。

今回の改訂の主な目的は下記のとおりです。
  • ESCRが準拠するC言語規格をC90からC99にし、C99に規定された新たな機能でコーディングを容易にしつつ、組込みソフトウェアを高信頼に作るため不具合につながりかねない記述を防げるようにします。
  • 今年3月に公開されたMISRA Cの改訂に対応し、ESCR[C言語版]が参照している両者共通的な部分で記述の食い違いがないようにします。

 今回の改訂に際し、IPA/SECでは、従来のESCR策定メンバーを中心に委員会を設立して改訂作業を進めており、2014年3月にESCR[C言語版]Ver. 2.0として公開する予定です。書籍として発行するほか、英語訳のPDF公開も予定しています。
 具体的な発行期日については、決定次第ウェブサイト等にて改めて公表します。

 IPA/SECでは、ESCRの改訂版を予定どおり発行し、さらにESCRの普及活動を通じて組込みソフトウェアの開発力強化に貢献し、情報処理システムを制御するソフトウェアの安全性・信頼性の向上を更に推進していきます。

 なお、IPA/SECでは、Embedded Technology 2013 / 組込み総合技術展(2013年11月20日(水)~22日(金)、パシフィコ横浜)において、ソフトウェアの高品質・高信頼化に向けた、ESCRを含む取組み成果や活動内容の展示を行っています。

●主な展示項目 (展示ブースNo.C-01)

  • 組込みソフトウェア開発向けコーディング作法ガイド(ESCR)
  • 経験と教訓の共有に基づく信頼性向上に向けて ~重要インフラ分野のシステム障害への対策~
  • ベンチマークのススメ(データ白書)[組込みソフトウェア開発データ白書]

脚注

(*1)MISRA C : MISRA(The Motor Industry Software Reliability Association)が作成したC言語のためのソフトウェア開発標準規格
MISRAは自動車メーカ、部品メーカ、研究者からなる欧州の自動車業界団体です。
(*2)IPA 2012年度「ソフトウェア産業の実態把握に関する調査」(5-1 組込み系向け調査結果)より
 http://www.ipa.go.jp/sec/softwareengineering/reports/20130426.html

プレスリリースのダウンロード

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Tel: 03-5978-7543 Fax: 03-5978-7517 E-mail:メール

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