2013年3月19日
独立行政法人情報処理推進機構
IPA(独立行政法人情報処理推進機構、理事長:藤江 一正)技術本部 ソフトウェア・エンジニアリング・センター(以下、SEC)は、アジャイル型開発で用いられる組織、プロセス、技術などの実践のための指針である「プラクティス」について、先駆的企業を対象とする事例調査を行い、リファレンスガイド(以下、本ガイド)としてまとめ、本日公開しました。本ガイドから、アジャイル型開発におけるプラクティスの選択指針や、適用時の工夫や留意点を学ぶことができます。
URL:http://sec.ipa.go.jp/reports/20130319.html
インターネット販売サイトやSNS(ソーシャルネットワークサービス)等のシステムでは、その構築において、実装すべき機能などそのシステムに求められる要件のすべてが明確にならなくても開発に着手し、要件の明確化や変更には開発と並行して対応します。それは、いかに早くサービスを提供するかに、ビジネスの命運がかかっているからです。
こうした要件の変化に柔軟に対応できる開発手法として、「アジャイル型開発」があります。これは、ビジネス上の優先度が高い順に、短いサイクルで機能単位の開発を繰り返す手法です。
このアジャイル型開発手法は自社開発(内製)が中心の米国で発展したものであり、要件を決めて外部に開発を委託することが多い等、受発注環境が異なる日本でアジャイル型開発を適用するのは難しいと考えられています(*1)。
「アジャイル型開発」には、「ペアプログラミング」「日次ミーティング」「ファシリテータ」等といった開発プロジェクトの適用技術、開発プロセス、組織運営等を表わした「プラクティス」と呼ばれる指針があります。どのような状況下で、どのプラクティスをどのように活用すればよいのか、といったノウハウがあれば、開発プロジェクトを円滑に進めるための有効な手段になります。
そこで、IPA/SECでは、国内でアジャイル型開発の活用が進む先駆的企業の59件のプラクティスの利用状況を調査、分類し、プラクティスのプロジェクト規模やアジャイル型開発の種類(*2)などによる適用状況の違い、適用する場合の工夫や留意点などについて、リファレンスガイドとしてまとめました。
(別紙参照)。
また、リファレンスガイドでは59件のプラクティスを3つの方法で分類、整理を行っています。
既に国内でも、米国人を中心とした著者によるアジャイル型開発に関する日本語訳の書籍等が充実してきていますが、それらで紹介されている事例や解説は自国の環境を前提にした一般論的なものであり、受発注環境が異なる日本では、そのまま利用しても参考になる箇所は限定的でした。
また、今まで、日本の開発スタイルやプロジェクトの特性別に、多数のプラクティスをまとめた資料はもちろん、無償で利用できるものはありませんでした。
IPA/SECでは、本ガイドにより、プラクティスの導入の敷居が低くなり、アジャイル型開発の普及が進むと考えています。また、その結果、プラクティス導入の失敗や長期間の試行錯誤が減少し、アジャイル型開発のプロジェクトの成功率が高くなり、一層の普及が進むと考えています。
本ガイドは、IPA/SECのウェブサイト
(http://sec.ipa.go.jp/reports/20130319.html)よりダウンロードし、活用することができます。
(*1) その導入率は米国では35%(Forrester Research, Inc.の2009年の調査 "AGILE DEVELOPMENT: MAINSTREAM ADOPTION HAS CHANGED AGILITY")、日本では2.4%(IPA「ソフトウェア開発データ白書2012-2013」P42 図表4-5-1)。
(*2) アジャイル型開発にはScrumやXP(eXtreme Programming)等、いくつかの開発手法があります。
(*3) パターン・ランゲージは、様々なものの中の規則性や法則性を見つけて整理する方法。次のURLで詳細が参照できます(英文)。
http://hillside.net/index.php/a-pattern-language-for-pattern-writing
Tel: 03-5978-7543 Fax: 03-5978-7517 E-mail:![]()
Tel: 03-5978-7503 Fax: 03-5978-7510 E-mail: ![]()