2013年1月30日
独立行政法人情報処理推進機構
IPA(独立行政法人情報処理推進機構、理事長:藤江 一正)は、フィリピンソフトウェア産業協会(Philippine Software Industry Association、以下PSIA(*1))と2013年1月29日、IT人材育成及びITサービス産業の発展を目的としてITスキル標準(*2)の展開に関する相互協力協定を締結しました。
アジアを始めとするグローバル市場の拡大に伴い、日本企業は経営のグローバル化志向を強めています。IPAが実施した「グローバル化を支えるIT人材確保・育成施策に関する調査」(*3)によるとそのグローバル経営を支えるために情報システムの整備・強化は不可欠であり、国境を超えた情報システムの企画、開発、運用やIT人材の活用が求められています。また、IPAが発行している「IT人材白書2012」(*4)によると日本とフィリピンのIT産業においては、オフショア開発やBPO(Business Process Outsourcing)を中心とした協力体制が構築されているほか、フィリピンは、日本のグローバル人材育成のための研修先としても注目されており、重要なパートナーとなっています。
IPAでは、2008年度より実施しているITスキル標準のアジア展開の一環として、経済産業省及び財団法人海外産業人材育成協会(HIDA(*5))が推進する貿易投資円滑化支援事業において2010年より3年間に渡りフィリピンに専門家を派遣し、PSIA傘下のフィリピンの現地IT企業に対してITスキル標準の導入をPSIAと共に支援してきました。この成果としてパイロット企業として参加した9社の現地IT企業がITスキル標準を組織のスキル向上、育成や評価制度として活用し、モラル向上や離職率の改善、日本企業との新たなビジネス協業の開始といった効果が上がっています。
このたびの相互協力協定は、上記の支援によりPSIAがITスキル標準の導入に関するノウハウ等を学び、主体的にITスキル標準の展開を推進するフェーズに進んだことを受け、今後ITスキル標準の推進に関する情報交換や技術的な協力を進めるため、締結したものです。
フィリピンのIT企業にITスキル標準が浸透・普及することで、IT人材育成及びIT産業の活性化が期待され、フィリピンのIT業界の発展に貢献すると共に、日本企業にとっても、フィリピンにおいてさらなるビジネスを推し進めていくための基盤となります。本協定の締結により、フィリピンのIT人材育成が促進され、延いては日本・フィリピン両国におけるIT産業の発展に繋がることを期待します。

左:PSIA 人材開発委員長 マリア クリスティーナ"ベン"コロネル 氏
右:IPA 理事 田中久也
(*1) PSIA:本拠地はフィリピン共和国マカティ。1980年に設立され、会員企業が約140社のフィリピン最大のソフトウェア産業協会。
http://www.psia.org.ph/
(*2) ITスキル標準:効果的なIT人材の育成や人材投資の効率化を実現するために、各種ITサービスの提供に必要な能力を明確化・体系化した指標。
(*3) グローバル化を支えるIT人材確保・育成施策に関する調査:IPAが2011年3月に報告書を公開。本調査によると、「日本ベンダー企業が海外市場で事業展開を行い、競争力を確保するためには日本の強みを生かしたビジネスモデルがあり、それを実現するためのIT人材確保・育成が必要」など事例調査により検証がなされている。
http://www.ipa.go.jp/jinzai/jigyou/global-report.html
(*4) IT人材白書2012:IPAが2012年5月に発刊。本白書によると、フィリピンは日本のIT企業のオフショア開発相手国としての割合が6.9%で中国、インド、ベトナムに次いで第4位。また、開発発注取引が2,777百万円で中国、インドに次いで第3位。
(*5) HIDA:財団法人海外産業人材育成協会(The Overseas Human Resources and Industry Development Association)
http://www.hidajapan.or.jp/
Tel: 03-5978-7544 Fax: 03-5978-7516