2012年9月27日
独立行政法人情報処理推進機構
IPA(独立行政法人情報処理推進機構、理事長:藤江 一正)技術本部 ソフトウェア・エンジニアリング・センター(以下、SEC)は、企業の目標とIT導入による目標達成に相違が無いかどうか確認する手法を実践的に身に付けるための「GQM+Strategies®ワークショップ教材」日本語版を公開しました。
URL:http://sec.ipa.go.jp/reports/20120927.html
企業の経済活動において、ソフトウェアや情報システムが多くの業務を担っている今日、情報システムの構築と運用というIT化への取り組みは、業務の省力化・効率化によるコスト低減及びITの戦略的活用による業務推進の観点から不可欠なテーマであり、経済活動と不可分の関係となっています。そして、ビジネス上の成果を最大化するためには、経営層、業務部門、システム部門の3者が個々の立場で中長期計画や年間計画などにおいて設定した「目標」と、その目標を実行するための「戦略」、「業務レベルの具体的な施策(IT化)」の3要素の整合が求められます。(以下図を参照)

また、利用者は、経営レベルなど上位階層で設定された目標に対し、各階層で立てた戦略がどれほど貢献するかを予測できると共に、事後の効果測定が可能です。
「GQM+Strategies」は、IPA/SECが従来から推進してきた、経営的な観点を踏まえたシステム構築の検討に有効と考えられることから、IPA/SECはIESEと共同で、2009年から一般企業を募り「GQM+Strategies」のワークショップを毎年開催し、延べ6回、約20社から参加した120名に、手法および自社適用の解説を行ってきました。
また、有効性実証を目的とした共同研究として2007年10月から2011年3月までの間に、日本国内の企業3社(*3)に対する適用実験を実施しました。その結果、測定指標、戦略実施の目標達成への貢献度、戦略の実施度といった尺度の設定に基づいた、複数のIT化案の優先順位を決定することができ、経営的観点を踏まえたシステム構築の検討における有効性を確認しました。そして、実証実験からツールを考案し、研修教材と共に「GQM+Strategiesワークショップ教材」日本語版として公開しました。
オリジナルの教材は英語版でしたが、今回公開した日本語版は日本語訳した教材に加え、「GQM+Strategiesグリッドツール」や実証実験から考案した「組織戦略とシステム化テーマの整合確認ツール」、チュートリアルやワークシートの利用説明、ワークショップの実施手順等から構成されています。
「GQM+Strategiesグリッドツール」は、経営レベルの目標を業務部門など各階層の戦略にブレイクダウンし、実践に対する達成度などを測定指標で、詳細かつ具体的に表わします。その結果、経営レベルの目標に対し、各業務部門で遂行すべき業務目標の達成度が「GQM+Strategiesグリッド」で木構造として可視化され、目標・戦略・具体的な施策の整合性を確認することができます。
図「GQM+Strategiesグリッドツール」

SECでは経営的観点で十分考察されない結果、非効率なITシステムが構築されることのないよう、今後も「GQM+Strategiesワークショップ教材」を用いたワークショップを開催していく予定です。
■「GQM+Strategiesワークショップ教材」日本語版は、下記URLをご覧ください。
URL:http://sec.ipa.go.jp/reports/20120927.html
(*1) GQM+StrategiesはIESE(Institute for Experimental Software Engineering)が保有する国際登録商標。IESEはドイツ・フラウンホーファー研究機構に属する、ソフトウェア工学分野の研究所。
GQMはGoal、Question、Metricの略で、SECは2004年11月にGQM-Strategiesの使用許諾を得た。
(*2)SECはIESEと2004年11月に共同研究契約を締結しています。
http://www.iese.fraunhofer.de/
Tel: 03-5978-7543 Fax: 03-5978-7517 E-mail: ![]()
Tel: 03-5978-7503 Fax: 03-5978-7510 E-mail: ![]()