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IPAについて

プレス発表 「情報システム基盤の復旧に関する対策の調査」報告書等の公開

2012年7月25日
独立行政法人情報処理推進機構

  IPA(独立行政法人情報処理推進機構、理事長:藤江 一正)技術本部 ソフトウェア・エンジニアリング・センター(以下、SEC)は、東日本大震災による情報システムの被災状況や、その後の対策の実施状況について、「情報システム基盤の復旧に関する対策の調査」の報告書としてまとめ、公開しました。また、調査結果を整理し、高回復力(*1)システム基盤(*2)の具体的な導入事例や導入の際のポイントなどを解説した「高回復力システム基盤導入ガイド(以下、「導入ガイド」)」の「事例編」を併せて公表します。
URL:http://www.ipa.go.jp/sec/reports/20120725.html

  IPA/SECでは、2011年3月の東日本大震災を受け、ITサービス継続計画(以下、IT-BCP)において、情報システムの高回復力を確保することの重要性を再認識し、企業におけるIT-BCP策定の取り組み状況や個別対策の実施状況を確認する必要があると考えました。そこで、「情報システム基盤の復旧に関する対策の調査(以下、本調査)」として、文献調査、アンケート調査、ヒアリング調査(別紙参照)の3つを実施しました。
   本調査の文献調査で参考とした、一般財団法人日本情報経済社会推進協会(JIPDEC)の「企業IT利活用動向調査」(*3)によれば、東日本大震災の発生前と発生以降を比較すると、「災害やシステムダウンへの対応」を今後の経営課題として重視する企業が急増していると報告されています。しかし、IPA/SECが2012年4月に行った本調査のアンケート調査では下記の通り、IT-BCPを実際に「策定済みの企業」は24.8%、「策定の予定なし」とする企業は27.4%でした。

アンケート調査結果 概要


事業継続計画(BCP)
策定済み40.1% 検討中33.1% 予定無し18.6%
IT-BCP
策定済み24.8% 検討中40.9% 予定なし27.4%
IT-BCPにおいて重点的に取り組んでいる領域
  電源供給やネットワークの冗長化(*4)51.3%
データの遠隔地保管50.4%
情報処理設備や機器の冗長化50.0%
システム(サーバ)の冗長化の状況
  冗長化していない42.1% 同一サイト内で冗長化37.3% 遠隔地で冗長化15.5%
データ保管場所の分散度
  同一拠点のみ52.9% 別拠点にも保管36.1% 不明等10.9%

その他、システムの目標復旧時間(以下、RTO(*5))を6時間未満に設定していると回答した企業のうちの約1/4(24.4%:図では14.3%~26.1%となっているデータの全体集計値)が、システムを冗長化していませんでした。これは、設定した時間内にシステムを復旧するための適切なシステム構成を採用していないといえます。

図 RTO 別システム冗長化の状況(報告書 60ページ 図 4-26)

   これらのことから、全体として具体的な取り組みが進んでいないこと、あるいはIT-BCPの必要性は認識しているものの、震災を経た現在においても適切なシステム設備の用意に至っていないことがわかりました。

  また、本調査のヒアリング調査で収集した事例を基に、「高回復力システム基盤導入ガイド」の「事例編」を作成しました。IPA/SECでは、「事例編」に先立ち、ビジネス要求とITリスクの関係やシステム基盤導入における経営層と情報システム部門の連携についてわかりやすく解説した、導入ガイドの「概要編」と「計画編」を5月8日に公開しています(*6)
   導入ガイド「事例編」では、「概要編」、「計画編」で示した4つのモデルシステム(*7)における要件定義の推奨値を、実際にどのように調整し、カスタマイズしたのかを参照することができます。

■「情報システム基盤の復旧に関する対策の調査」の調査報告書及び「高回復力システム基盤導入ガイド(事例編)」は下記のURLをご覧ください。
  URL:http://www.ipa.go.jp/sec/reports/20120725.html

脚注

(*1) 災害やシステム障害時に情報システムが停止しない対策がある程度施され、更に目標とする時間内に復旧することが出来る能力。

(*2)  サーバ、ストレージ、ネットワークシステム、OS(基本ソフト)等のこと。高回復力はシステム基盤上で実現させる。

(*3)  大企業がここ1~3年の間で重視する経営課題として「災害やシステムダウンへの対応(BCP/DR(ディザスタリカバリ))」と回答した企業の数が、震災発生前(2011年3月)には14位だったが、震災直後(2011年5月)には1位となった。

(*4) 機器や設備等を複数用意しておき、その一部が故障などで使えなくなっても、正常に動作するものに切り替えることで、システム全体としてサービスの提供を維持できるようにすること。

(*5) 災害やシステム障害などによるITサービスの停止から、あらかじめ定めた水準までサービスを復旧するための目標時間のこと。

(*6) 「高回復力システム基盤導入ガイド(概要編、計画編)」(http://www.ipa.go.jp/sec/reports/20120508.html

(*7) 災害時とシステム障害時でRTOの推奨値を設定し、システムを4つのモデルシステムに分類したもの

プレスリリースのダウンロード

本件に関するお問い合わせ先

IPA  技術本部 ソフトウェア・エンジニアリング・センター
エンタプライズ系プロジェクト  山下/柏木

Tel: 03-5978-7543  Fax: 03-5978-7517 E-mail: 電話番号:03-5978-7543までお問い合わせください。

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IPA  戦略企画部 広報グループ 横山/白石

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