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IPAについて

プレス発表 「IT人材白書2012」のポイントを紹介

2012年5月11日
独立行政法人情報処理推進機構

 IPA(独立行政法人情報処理推進機構、理事長:藤江 一正)は、IT人材育成事業の一環として、IT関連産業の人材動向、オフショア開発動向、産学におけるIT教育等の状況およびIT人材個人の意識を把握すること等を目的とした調査を実施し、この調査結果を基に「IT人材白書2012 ~行動こそが未来を拓く 進むクラウド、動かぬIT人材~」を5月24日に発行します。このたびその概要をIPAのWebサイトで公開しました。
URL: http://www.ipa.go.jp/jinzai/jigyou/about.html

 今回の調査では、従来の動向調査に加え、過去数年に渡り調査結果に現れている、IT人材に不足している「質」について、企業側・IT人材個人側双方の深掘りを行い、詳細を明らかにしています。また、IT人材については、IT企業のIT技術者に加え、新たにユーザー企業のシステム部門IT技術者および組込み技術者へも調査を行っており、より広範囲なIT人材の実態を明らかにしました。

「IT人材白書2012」のポイント

(1)IT人材需要に大きな影響を与えるIT産業動向

   1) ユーザー企業に確実に広がるITサービス利用
ユーザー企業が今後の利用拡大を望むITサービスは、IDCサービス、ASPサービスの割合が高く、開発委託(受託開発)を上回り、サービス化へのシフト意欲が見える(別紙-図1)。クラウド関連サービスの利用動向は昨年度と比べSaaSは大幅増、IaaSは3倍以上の拡大。今後の利用意向はSaaSが全体の半数、PaaSやIaaSが全体の3割を超える企業で拡大している(別紙-図2)。
  
2) 企業規模によって異なる方向感
IT企業では、受託開発が6割以上の企業で主要事業であり、他の事業の割合も変化がみられず、サービス事業化への変革が言われている状況下においても実態には変化が現れていない。
従業員規模の大きい企業では、4割程度の企業がITサービス系事業に取り組んでいる。しかし、従業員規模の小さい企業ほど、システム受託開発など労働集約的な事業を主力とする割合が高く、拡大予定事業でも変化は現れていない(別紙-図3)。

(2)現状に満足、将来には強い不安、行動を起こさないIT人材

   1) 仕事や職場環境への満足感は高いが、将来キャリアに強い不安
IT人材の現在の仕事や職場環境への満足感は高く、いずれも6割以上が「満足している」側にある(別紙-図4)。しかし、IT人材の7割以上が将来キャリアへの不安を持ち、特に新しい技術やスキルの習得、現在自ら持つ技術やスキルの普遍性について危惧している(別紙-図5)。
研修やセミナー等を活用しているIT人材は全体の4分の1程度。自己研鑽の促進という観点からは、もっと多くのIT人材が社内外の研修やセミナーを活用できるよう、意識の向上や環境の整備が望まれる。(別紙-図6)。

(3)スキル標準

   1) 技術者の意識や意欲向上に効果大
IT人材個人におけるスキル標準の利活用状況をみると、約4割(IT企業のIT人材44.9%、ユーザー企業のIT人材32.4%、組込み技術者40.5%)が何らかの形でスキル標準を利活用している(別紙-図7)。利活用している企業・組織のIT人材は、利活用していない企業・組織のIT人材に比べ、仕事や環境への満足度、キャリア形成のための環境状況等についてプラスの状況にある(別紙-図8)。

(4) 不足する「質」

   1) IT企業の業務による「質」の違い
「受託システム開発」の担当IT人材は、円滑な業務進捗のために「プロジェクトマネジメント力」が最も必要とされており、次いで、発注者の要求により高い精度で応えるための「顧客業務に対する分析力・改善提案力」が必要とされている。同様に「アウトソーシング(運用サービス)」の担当IT人材に対しても「顧客業務に対する分析力・改善提案力」が重要視されている。
「パッケージソフトウェア開発」の担当IT人材は、ユーザーのニーズを的確に把握して新たなサービスを提供するための「新しい価値を生み出す力(情報収集力など)」が最も必要とされている。「ASP/SaaSサービス関連」の担当IT人材は、「最新技術に関するスキル」が必要とされている(別紙-図9)。
  
2) ユーザー企業の業務による「質」の違い
「IT戦略立案」の担当IT人材や「業務改革推進・新ビジネス支援」の担当IT人材といった企業動向に大きく影響がある経営方針レベルの業務には、「現場業務に対する分析力・改善提案力」、「最新技術に関するスキル」が求められている。 「情報システム開発・マネジメント」の担当IT人材は、「プロジェクトマネジメント力」、次いで、「最新技術に関するスキル」が求められる。「情報システム運用・保守業務」の担当IT人材は、「最新技術に関するスキル」、「既存技術に関するスキル」、「問題解決能力」が求められている(別紙-図10)。
 
3) IT企業、ユーザー企業、共に不足感の強い技術力
IT企業、ユーザー企業ともに、最も不足を感じているIT人材の「質」は、IT人材の根幹となるべき「技術力」である(別紙-図11)。原因については、①「社内の人材育成が不十分だから」(30.7%)と回答した企業が最も多く、次いで、②「求められる技術の変化に十分に対応できていないから」(25.1%)、③「新たな事業・サービスの展開に十分に対応できていないから」(24.7%)となっている。人材育成が最大の原因と考える企業が最も多いが、技術変化や新事業・サービスの展開といったIT産業(IT技術)の特性や、現状(変革期)が「質」不足の原因と考えている企業も同等となっている(別紙-図12)。
 
4) IT企業はIT人材の不足スキルを具体化できず
「不足しているスキルを明確にしている」は28.1%、「何らかのスキルは不足していることを認識しているが、目標は特に明確にしていない」が65.9%とIT企業がIT人材に対して不足スキルを示していない状況が明らかになった(別紙-図13)。

(5) オフショア開発の動向

     オフショア開発を標準的な開発プロセスあるいはグローバルデリバリーの一部とするIT企業の割合は45.6%であり、恒常的な手段へと成熟しつつある(別紙-図14)。

(6)産学連携の動向

   1) 実践的教育に対する認識の向上
教育機関では、産学連携教育に取り組みたいという意向をもつ機関が6割を超えた(別紙-図15)。8割の教育機関が将来的に産学連携教育の重要性が高まるという認識を有しており、産学連携教育の重要性に対する認識が浸透しつつある(別紙-図16)。また、産業界の産学連携に関する取り組み意欲は昨年度より上昇している。

■「IT人材白書2012」概要は以下のURLからダウンロードできます。

  http://www.ipa.go.jp/jinzai/jigyou/about.html

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