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IPAについて

プレス発表 プログラム言語Ruby、国際規格として承認

2012年4月2日
独立行政法人情報処理推進機構

 IPA(独立行政法人情報処理推進機構、理事長:藤江 一正)は、2008年にRuby標準化検討ワーキンググループ(委員長:中田 育男 筑波大学名誉教授)を設置し、Rubyの言語仕様の国際規格化へ向けた事業を進めてきましたが、この度、2012年3月31日に締め切られた国際規格承認のための最終投票の結果、Rubyが国際規格ISO/IEC 30170として承認されました。
 Rubyは、ISO/IECにおけるプログラム言語規格の分野で初の日本発の言語となりました。Rubyが国際規格となったことにより、Ruby言語仕様の安定性や信頼性が増し、Ruby関連事業の一層の国際展開が期待されます。

 プログラム言語Ruby は1993 年にまつもと ゆきひろ氏により発案され、開発が開始された、日本発のプログラム言語です。豊富な機能と簡便さとを併せ持ち、高機能なアプリケーションを簡潔に記述できる等の特長から、国内のみならず国際的にも活用が進んでおり、セールスフォース・ドットコム社を始めとして、クラウドコンピューティングで提供する標準環境へのRubyの採用や、Rubyへの投資が活発化しつつあります。また国内では2011年7月に、Rubyの一層の普及と発展を目的とした、一般財団法人Rubyアソシエーション(理事長:まつもと ゆきひろ)が設立されています。

 IPAでは2008年にRuby標準化検討ワーキンググループを設置し、Rubyの言語仕様の国際規格化へ向けた事業を進めてきました。2011年3月にはJIS規格化(*2)が完了し、同時に日本工業標準調査会を通じてISO/IEC JTC 1(*3)へ国際規格案として提案を行いました。ISO/IEC JTC 1において行われた国際規格承認のための最終投票が2012年3月31日に締め切られ、その結果、ISO/IEC 30170として承認されました。
 Rubyが国際規格となったことで、Ruby言語仕様の安定性や信頼性が増し、Rubyを学ぶプログラマーの数、Rubyを採用する企業や組織の数が増大することが期待されます。

 Rubyは、国際的なコミュニティの意見を集約しつつ、言語仕様の開発が行われています。そこでIPAでは、国際規格案の策定にあたって、ISO/IEC JTC 1/SC 22(*4)との連携に加え、Rubyコミュニティと連携をしつつ作業を進めるように努めてきました。また、Ruby国際規格化作業の進展に伴い、プログラム言語のセキュリティガイドライン(*5)に、Rubyを加える取り組みがなされています。IPAではこのような取り組みへも協力をしてきました。

 一般に、規模の大きなソフトウェアは、多くの人が協力し、また、多数の会社や組織の作成したソフトウェア部品を組み合わせて作成されますが、その際、それを記述する言語仕様が正確に定義され、共有されることが極めて重要です。また、国境を越えた大規模な広がりを持ち得るクラウドコンピューティングにおいては、そこで動作するソフトウェアを記述する共通言語として何を採用するかが重要ですが、その選択にあたっては、当該言語を扱えるプログラマーの人口や、当該言語を用いたソフトウェアの可搬性(*6)の高さが鍵となります。
 Rubyが国際規格となったことにより、Ruby採用の拡大が加速されるとともに、我が国のRuby関連産業の一層の国際展開が期待されます。
 なお、IPAでは、Rubyが国際規格として承認されたことを記念して、まつもと ゆきひろ氏、中田 育男氏他による講演会を2012年6月5日午後に実施する予定です。

脚注

(*1)ISO/IEC:ISO(国際標準化機構)は電気・電子技術分野を除く国際規格の策定を行っている組織。IEC(国際標準会議)は電気・電子技術分野の国際規格の策定を行っている組織。ISO/IEC規格はISOとIECが共同で策定した規格を示す。

(*2)プログラム言語RubyのJIS規格(JIS X 3017)制定について
   http://www.ipa.go.jp/about/press/20110322.html

(*3)ISO/IEC JTC 1: JTC 1 はISOとIECとの合同技術委員会で、ソフトウェア技術に関する標準化を担当する委員会。

(*4)ISO/IEC JTC 1/SC 22:ISO/IEC JTC 1には複数の分科委員会(SubCommittee)があり、SC 22はプログラム言語を担当する分科委員会。

(*5)ISO/IEC TR24772 - "Guidance to Avoiding Vulnerabilities in Programming Languages through Language Selection and Use" 作成したプログラム中にセキュリティ上の脆弱性を含まないようにする記述方法のガイドライン集で、各言語に特徴的な注意点は、Annexとして言語ごとに執筆されている。プログラム言語の脆弱性に関するワーキンググループ(ISO/IEC JTC 1/SC 22/WG 23)が担当している。

(*6)可搬性:あるシステムのために作ったプログラムが、そのまま手を加えずに他のシステムでも動作すること。

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本件に関するお問い合わせ先

IPA 技術本部 国際標準推進センター 吉田/頃末

Tel: 03-5978-7507 Fax: 03-5978-7517 E-mail: 電話番号:03-5978-7507までお問い合わせください。

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IPA 戦略企画部 広報グループ 横山/大海

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