2011年4月27日
独立行政法人情報処理推進機構
IPA(独立行政法人情報処理推進機構、理事長:藤江 一正)ソフトウェア・エンジニアリング・センター(以下、SEC)は、ユーザー企業の経営層に向けたシステム構築における要件定義の重要性を平易に説明した読本「経営に活かすIT投資の最適化」とシステム構築手順に関する社内標準化等の担当者向けに事例集を公開しました。
URL: http://sec.ipa.go.jp/reports/20110427.html
例えば、家電製品や自動車を購入する場合、その多くは製品の性能やデザイン、アフターサービス、利用頻度等、さまざまな“ 要件”の検討が自ずと行われます。情報システムの構築要件の検討・定義は、システム導入後の業務効率化、他社とのビジネスの差別化等の成否に関わるため、ユーザー企業の経営層がこれらを理解した上で、より詳細に行われる必要があります。しかし、情報システムの要件は、家電製品や自動車と異なり用語が難解なことや、“何をどの程度求めるのが適切なのか”といった程度の設定に専門知識が必要なことから容易なことではなく、多くのユーザー企業では目的や目標に見合った情報システムの構築が出来ているとは言い難いのが現状です。
そこで、IPA/SECは、システム基盤(*1)における安心・快適に関わる要件定義の用語を理解しやすい言葉に置き換え、解説した読本を公開しました。読本では、平易な用語を使い、自動車の購入時における検討事項と情報システムの要件定義をドキュメンタリ風に対比して紹介しており、情報システムの事業リスクや投資効果の判断を行う経営層向けに、システム基盤の要件定義の重要性を訴求することを目指しています。なお、読本で言い換えを行った用語の対比例は次の通りです。
| IT分野における用語(例) | ⇒ | 要件に関する一般的な用語(例)/程度(例) |
|---|---|---|
| 回復性 | ⇒ | 安定感/障害発生後、いつまでにシステムを復旧すべきか |
| 業務処理量 | ⇒ | 力量・パワフルさ/1日の処理量をどの程度にするか |
| 保守運用 | ⇒ | 点検/保守点検はどの程度の頻度にするか |
| 移行性 | ⇒ | 引越し・乗り換えやすさ/別システムへの移行はどうか |
| セキュリティ | ⇒ | 安全/ウイルス対策、暗号化をどうするか |
| 環境マネジメント | ⇒ | エコロジー/消費電力をどの程度にするか |
また、システム構築手順に関する社内標準化や品質管理の担当者向けに、情報システムの安心・快適に関わる要件定義のための手法(*2)を企業がどのように活用しているのか、次のような事例を事例集として紹介しています。
IPA/SECでは、ユーザー企業がこれらの資料を通じて、情報システムの安心・快適に関わる要件定義についての理解を深め、事業リスクや投資効果を勘案した適切な情報システムへの投資を実現することを期待しています。
また、「経営に活かすIT投資の最適化」読本は、IPAが来月出展する、ソフトウェア開発環境展(会期:5月11日(水)〜13日(金))において、ブース来場者に無償配布する予定です。
■資料は、次のURLをご参照下さい。
http://sec.ipa.go.jp/reports/20110427.html
(*1) システム基盤:基本ソフト(OS:オペレーティングシステム)、ミドルウェア、ハードウェア、ネットワーク機器等システムの土台を構成するもの。
(*2) この手法を「非機能要求グレード」と呼びます。情報システムを構築する際に、システム基盤に対する要求とその程度を分類するものです。要求の分類は非機能要求と呼ばれる「可用性、性能・拡張性、運用・保守性、移行性、セキュリティ、システム環境・エコロジー」の6つから成ります。また、要求の程度は最大6段階で具体的に示しています。更にこの程度をシステムの社会的影響度で3つの「モデルシステム」に分類し、代表的な要求の程度を推奨値として「グレード表」で示しています。 http://sec.ipa.go.jp/reports/20100416.html
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