2011年4月20日
独立行政法人情報処理推進機構
IPA(独立行政法人情報処理推進機構、理事長:藤江 一正)は、IT人材育成事業の一環として、IT関連産業の人材動向・グローバル化への対応、オフショア開発動向、産学におけるIT教育等の状況を把握すること等を目的とした調査を実施し、この調査結果を基に「IT人材白書2011〜未来志向の波を作れ 今、求められる人材イノベーション〜」を5月20日に発行します。このたびその概要をIPAのWebサイトで公開しました。
URL: http://www.ipa.go.jp/jinzai/jigyou/about.html
今回の調査では、従来からのIT人材およびオフショア開発に関する動向調査に加え、「企業のキャリア形成支援とIT人材のキャリア・スキルに対する自覚および将来の不安」の関連について調査を行いました。これは昨年の調査における「将来のキャリアに不安を強く感じるIT人材は企業への依存度が高い」という結果を受け、その原因を探るため行ったものです。
| 1) | IT技術者の約半数にしか届かない勤務先の人材育成メッセージ IT企業の47.3%が人材育成に関する全体方針を発信しているのに対し、それを認識しているIT人材は26.0%に留まる(別紙−図1)。また、IT企業の36.6%で経営層が個人のキャリア形成に関してメッセージを発信しているのに対し、それを認識しているIT人材は15.3%にすぎない(別紙−図2)。 |
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| 2) | 将来のキャリアに不安があってもスキルを磨く行動に至らないIT技術者 「将来のために勉強したほうがいいことがわかっているが、なかなか行動に移せない」との問いに、「あてはまらない」と答えた、将来キャリアに不安を持つIT技術者は20.6%にすぎず、不安を抱えていても行動に至らない割合が高い。一方不安を持たないIT技術者では48.7%と、比較的行動に移していることがうかがえる。(別紙−図3)。 |
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| 1) | 5,000名以下の企業に勤務するIT技術者にとってグローバル化は不安要因 | |
| 調査対象の9割に相当する、従業員5,000名以下の企業に勤務するIT技術者の約6割は、グローバル化が自分にとって不利になると考えている一方で、5,001名以上の企業では53%が有利になると考えている(別紙−図4)。 | ||
| 2) | IT技術者はグローバル化の流れを認識しているが、外国語習得への取り組みは低い。 | |
| ・ | 今後、業務で外国語を使うようになると考える割合は企業規模にかかわらず55%以上を占める。またその傾向は企業規模が拡大するほど上昇し、5,001名以上の企業で81%となっている(別紙−図5)。 | |
| ・ | しかし実際の外国語習得の取り組み度合いは低く、IT技術者全体の28.0%が余り取り組んでいない、46.7%が全く取り組んでいないと回答している(別紙−図6)。 | |
| 1) | ITベンダーのオフショア開発実績は初めて前年割れ 2009年度に初めてオフショア開発金額が前年を割り、930億円となった。しかし2010年度は回復する見通しである(別紙−図7)。 |
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| 2) | オフショア開発実施企業は今後の活用意欲も高い オフショア開発を実施している企業はオフショア開発を今後拡大していく意向が強く、増加することが見込まれると答えた企業の割合は昨年より約2倍に増え58.8%であった(別紙−図8)。 |
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| 3) | オフショア開発コストの増加要因 オフショア開発で目標とするコスト削減を達成している企業とそうでない企業のコスト増加要因の比較では、達成していない企業は達成している企業に比べ「品質トラブルへの対応」、「進捗遅延・納期遅延への対応」、「連絡役としての自社ブリッジSEの設置」をコストの増加要因としてあげる割合が高い(別紙−図9)。 |
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| 4) | オフショア開発のコスト削減に成功している要因 コスト削減目標を達成している企業は達成していない企業に比べ、コスト削減施策として「オフショアベンダーとの長期的連携」、「自社開発プロセスの共有」、「オフショアベンダー社員向けの研修の実施」をあげる割合が高い(別紙−図10)。 |
| ・ | 産学連携による実践的教育の受講者のうち、就職後78.9%が「システム開発手法や開発プロセス」の知識・経験が同年代他者と比べて優れていると感じ、またIT分野における幅広い知識・経験についても受講者が同年代他者と比べ、過半数で優れていると感じている(別紙−図11)。 | |
| ・ | 実践的教育受講者のうち70.4%が「システム開発手法や開発プロセス」の知識が企業での実務に役立っていると感じている(別紙−図12)。 |
| 1) | イノベーションを起こす突出したIT人材の活用を模索するIT企業 | |
| ・ | IT企業の49.7%で、突出した能力や技術を持つ人材の必要を感じている(別紙−図13)。しかし突出したIT人材が必要と答えた企業のうち55.8%が必要な人材を確保できていない(別紙−図14)。 | |
| ・ | 突出した能力を持つ人材を必要としている企業は「適切な処遇が困難」、「マネジメントする体制が未整備」等の課題を抱えている(別紙−図15)。 | |
| 2) | 未踏人材の強みを活かすためには第三者の協力も有効 | |
| ・ | 回答のあった未踏採択者の73.7%が自らの強みを「独創性」、79.1%が「課題解決力」と答えている(別紙−図16)。 | |
| ・ | 「どのような活動で才能を社会に役立てることができるか」という問いには50.5%が「自らの知恵やアイディアを実現したモノや価値を作り出す」を一番に挙げている(別紙−図17)。 | |
| ・ | 「優先して交流したい相手は」という問いには「技術的な知識やスキルを有するパートナー」、「ビジネスの方向性を共有するパートナー」と答えている(別紙−図18)。 | |
(*1)実践的教育:グループで演習を行う科目、実践的な知識や体験を得ることができるプロジェクトベースドラーニング(PBL)を通じて、コミュニケーション能力の強化を目的に行われる教育。
(*2)未踏事業:次世代のIT市場創出を担う、独創性を持った優れた個人を積極的に発掘する目的でIPAが2000年度から実施している。
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