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IPAについて

プレス発表 高信頼な情報システム構築に必要な “要求項目” に関するドキュメント群を英訳

2010年12月22日
独立行政法人情報処理推進機構

 IPA(独立行政法人情報処理推進機構、理事長:藤江 一正)ソフトウェア・エンジニアリング・センター(以下、SEC)は、日本のシステム構築手法の国際標準化を目指し、高信頼な情報システム構築に必要なハードウェアや基本ソフト等システム基盤(*1) への要求項目に関するドキュメント群「非機能要求グレード」を英訳し、公開しました。
URL:http://www.ipa.go.jp/sec/reports/20101222.html

 昨今、金融機関のATMや交通機関のICカード乗車券サービス等のシステムのように、情報システムは企業活動のみならず、社会生活に身近で不可欠なものとなっています。このため、ひとたび情報システムが停止した場合に社会に及ぼす影響は、以前にも増して深刻で広範囲に及ぶことから、情報システムの信頼性への要求はより高いものとなっています。その一方で、情報システムの開発は、その利便性向上による高機能化などに伴い、規模が大きく複雑になり、 “高い信頼性(*2) ” を確保することが困難になっています。

 IPA/SECでは、システム構築において高い信頼性を確保するために、要件定義を中心とした上流工程の品質を高めるための取組みを進めています。その一環として、 “システム基盤の要求仕様を見える化する手法「非機能要求グレード(*3) 」” (図1)に関するドキュメント群を、2010年4月にIPAのウェブサイトで公開しました。
 現状、海外では「非機能要求グレード」と同様の取組みがなく、確固とした国際標準もありません。 このためIPA/SECでは、高信頼を追求する日本独自のシステム構築手法を世界に普及させ、ISO/IEC等の国際標準に反映する好機であると捉え、「非機能要求グレード」を英訳、公開しました。本英訳は、高信頼なシステム開発に課題を抱える日本企業の海外拠点やオフショア先での利用も想定しており、システム開発の品質向上に寄与することを期待しています。

「非機能要求グレード」英語版は以下のURLからご覧下さい。
URL: http://www.ipa.go.jp/sec/reports/20101222.html

■「非機能要求」および「非機能要求グレード」の概要
 システム基盤に関する「非機能要求」とは、業務の「機能要求(*4) 」を実現させるための要求の総称で、可用性・性能・セキュリティといった項目があります。これらの要求をシステム開発の初期段階で決定することは、どのような項目をどのような場合に、どの程度に設定するかの判断が必要であり、非常に困難です。
 例えば「個人情報を扱うので情報漏えい対策が必要」という要求では、必要とされる対策がどの程度なのかの記載がなく、利用者と開発者の間で判断に相違が生じる可能性があります。この認識を一致させないまま開発を行うと、システムの稼働直前になって対策が不十分と判明し開発作業の手戻りが発生したり、システムの稼働後に情報漏えい問題が発生したりする場合があります。したがって、システムに適した信頼性を確保するために、適切な非機能要求を決定することが重要です。

 「非機能要求グレード」では、このような問題を防ぐため、「非機能要求」を漏れなく、誤解なく決める手法を提供しています。関連ドキュメント群には、非機能要求を体系的に分類した “項目一覧” および “樹系図” や、3つのモデルシステムとそれに対する非機能要求の推奨値をまとめた “グレード表” 等、非機能要求の検討に参考となる情報が含まれています。公開以来ダウンロード数は月間平均で約2千件あり、多くの要求定義従事者に利用されています。


図1 非機能要求グレードと非機能要求等の関係

脚注

(*1) システム基盤:基本ソフト(OS:オペレーティングシステム)、ミドルウェア、ハードウェア、ネットワーク機器等システムの土台を構成するもの。

(*2) 高い信頼性:例えば、社会インフラとなっている情報システムでは、稼働率99.99%以上(年間の予定外許容停止時間が52分以内)、予定外のシステム停止回数が2回以内、システム復旧時間25分以内のような信頼性が求められる。

(*3) 非機能要求グレード:非機能要求を「可用性、性能・拡張性、運用・保守性、移行性、セキュリティ、システム環境・エコロジー」の6つに分類したもので、国内SIベンダー6社(株式会社NTTデータ、富士通株式会社、日本電気株式会社、株式会社日立製作所、三菱電機インフォメーションシステムズ株式会社、沖電気工業株式会社)からなる「システム基盤の発注者要求を見える化する非機能要求グレード検討会」が策定。2010年3月末に同検討会より非機能要求グレードの著作権をIPA/SECが譲り受けた。http://www.ipa.go.jp/sec/reports/20100416.html

(*4) 機能要求:システムで扱う業務の手順、扱うデータ、他システムや利用者とのインタフェースなどに関する要求

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