HOMEIPAについて新着情報プレス発表 クラウド構築に活用できるオープンソースソフトウェアの評価結果を公開

本文を印刷する

IPAについて

プレス発表 クラウド構築に活用できるオープンソースソフトウェアの評価結果を公開

2010年10月27日
独立行政法人情報処理推進機構

 IPA(独立行政法人情報処理推進機構、理事長:藤江 一正)オープンソフトウェア・センター(以下、OSC)は、社内クラウド構築に使用できるオープンソースソフトウェア(OSS)1について、30種のソフトを5項目(基本情報、サポート、開発の安定性、成熟度、機能)、5段階で評価し、その結果を「社内向けクラウド構築のために活用できるソフトウェアカタログ」として公開しました。
 あわせて、クラウドシステムの安定運用のために特に重要な運用管理ツール等を取り上げ、詳しい評価を行った結果をまとめた、「クラウド運用管理ツールの基本機能、性能、信頼性評価」 を公開しました。

 近年、クラウドシステムの基盤部分等、システムが停止した場合に大きな影響を及ぼしてしまうような高い信頼性の求められる領域へのOSSの活用が 進んでいます。このようなシステムの安定運用のためには、利用するOSSの機能だけでなく、開発体制やサポート体制を見極めることが重要となります。

 そこでIPA OSCでは、社内のシステム担当者やシステム開発者が、クラウド構築を行う際の参考となるよう、この分野で活用されるOSSの動向を調査するとともに、 その機能や性能を評価した基礎資料の作成に取り組んでいます。こうした背景から2010年5月、IPAにOSS評価手法を検討する「評価モデルワーキンググループ」を設置しました。

 またIPAは2010年2月に、OSSを支援する各国関係団体が連携する国際組織である「QualiPSo(カリプソ)2ネットワーク」のメンバーとなり、 現在、OSS評価基準、評価手法、および評価の運用方法等について、同ネットワークのメンバーと協力し取りまとめを行っています。

 今回公開した「社内向けクラウド構築のために活用できるソフトウェアカタログ」の作成にあたっては、QualiPSoプロジェクト3において開発過程にある、 OMM(OSS Maturity Model: OSS成熟度モデル)という評価の考え方を一部取り入れ、「そのOSSは長期的に安心して安定に使用できるのか」という視点から OSSの開発体制やサポート状況について評価を行っています。

 また、今回、上記カタログにあわせ、「クラウド運用管理ツールの基本機能、性能、信頼評価」の評価結果を公開しました。これは、 クラウドの安定した運用のために特に重要な管理ツールについて、その機能や性能を実機で評価した結果をまとめたものです。

 なお、今回公開した調査結果は「クラウドコンピューティング構築へのOSSおよびオープンな標準4の適用可能性調査」として実施した4件のなかの2件であり、 そのうち、「OSS仮想化機構KVM5についての調査」、「アプリケーション実行基盤としてのOpenJDKの評価」の2件は2010年7月に公開しています。

資料の概要

(1)「社内向けクラウド構築のために活用できるソフトウェアカタログ」

 クラウド構築を行うために用いられるソフトウェアの中から30種のOSS、18種の商用ソフトウェアを9つの機能分野6 に分類してカタログとしてまとめました。 OSSについては以下のような5項目について評価し、結果を記載してあります。

評価項目 評価内容
基本情報 日本語コミュニティの有無、機能概要、類似ソフトウェア、ライセンス等
サポート ドキュメント整備状況、コミュニティサポート書籍、サポート企業の有無等
開発体制 開発主体組織、参加企業、参加形態、開発者数、開発ロードマップ、標準化活動等
成熟度 バグ数、フィックスまでの期間、フィックス率、脆弱性公開数と対応数等
機能 評価製品ごとに調査項目を設定
(2)「クラウド運用管理ツールの基本機能、性能、信頼性評価」

 社内向けクラウド構築において重要となる運用管理ツール7と認証基盤ソフト8から代表的なものを取り上げ、性能面、機能面について実機での運用を通した評価を実施しました。
 その結果、評価を行ったOSSは社内向けクラウド構築において性能面での課題が一部あるものの、基本機能は網羅しており、中小規模のシステムであれば構築可能であることがわかりました。


各種調査資料は以下のURLをご覧ください。

 10月28日に実施するIPA Forum 20109では、欧州のQualipso会議の会場と日本を結んだテレカンファレンスを実施し、OSS評価についてのパネルディスカッションを行う予定です。


1

オープンソースソフトウェア(OSS):ソースコードが無償で公開され、誰でもその改変と再配布が自由に行えるソフトウェアのこと。

2

QualiPSo(カリプソ):Quality Platform for Open Source Software

3

QualiPSo(カリプソ)プロジェクト:欧州委員会(EC)情報社会メディア総局が総額10Mユーロ(約12億円:1ユーロ=120円換算)を支出し、11か国(欧州9か国、中国、ブラジル) から21機関が参加し、OSSの品質に関する調査、研究を展開している4年間(2006年~2010年)のプロジェクト。テーマは法的課題、 ビジネスモデル、 相互運用性、 OSS情報のデータベース化、 OSS品質評価、 OSS開発プロセス評価、 開発支援システムの7分野ある。 http://www.qualipso.org/

4

オープンな標準:2007年3月に各府省情報化統括責任者(CIO)連絡会議が発行した「情報システムに係る政府調達の基本方針」によると「原則として開かれた参画プロセスの下で合意され、具体的仕様が実装可能なレベルで公開されている技術標準をいう。」と説明されています。

5

KVM「Kernel-based Virtual Machine」:Linux カーネルにハイパーバイザの機能を追加する仕組み。

6

9つの機能分野:
「仮想化機構に関するソフトウェア」、「system監視・管理システムに関するソフトウェア」、
「特定の仮想化機構に対する管理・監視ソフトウェア」、「クラウドの運用・管理ソフトウェア」、
「シングルサインオンソフト」、「ディレクトリサービスソフトウェア」、「分散処理基盤」、「分散ファイルシステム」、
「分散DB」の9分野

7

本調査で取り上げた運用管理ツールは次の3種:Eucalyptus、Zabbix、virt-manager

8

本調査で取り上げた認証基盤ソフトは次の2種:OpenLDAP、OpenAM

9

IPA Forum 2010は、IPAの事業活動の成果の紹介と普及促進を目的として開催している主催イベントです。イベントの詳細は、次のURLをご参照ください。
http://www.ipa.go.jp/event/ipaforum2010/index.html

プレスリリースのダウンロード

本件に関するお問い合わせ先

IPA オープンソフトウェア・センター 伊藤

Tel: 03-5978-7507 Fax: 03-5978-7517 E-mail:

報道関係からのお問い合わせ先

IPA 戦略企画部広報グループ 横山/白石

Tel: 03-5978-7503 Fax:03-5978-7510 E-mail: