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書籍「ITプロジェクトの『見える化』」シリーズの英訳版を公開
〜日本のソフトウェア開発のノウハウを海外の英語環境下でも利用可能に〜

2010年5月7日
独立行政法人 情報処理推進機構

 IPA(独立行政法人情報処理推進機構、理事長:西垣 浩司)ソフトウェア・エンジニアリング・センター(以下、SEC)は、日本企業の国外現地法人などが、国内企業と同様にシステム開発上のトラブルを未然に回避できるノウハウ「見える化手法1」の利用を可能にするため、書籍「ITプロジェクトの『見える化』」シリーズ4冊の基本部分を英訳し、2010年5月7日からIPAのWebサイトで公開しました。
URL:http://www.ipa.go.jp/english/sec/reports/20100507b.html

 ITプロジェクトにおいてトラブルが発生した場合、開発者が社会的信頼を喪失したり、利用者の利便を損なうことが少なくありません。このようなITプロジェクトのトラブルを低減させるため、2005年からIPA SECでは委員会「プロジェクト見える化部会」を発足させ、産学と連携して手法の検討をおこなっています。その成果としてSEC BOOKS「ITプロジェクトの『見える化』」下流工程編(2006年6月)、上流工程編(2007年5月)、中流工程編(2008年10月)、総集編(2008年10月)(以下、書籍「見える化」シリーズ)を刊行しています。

 ITプロジェクトにおいては、特に1)求められるシステムの機能、2)開発作業と進捗状況、3)開発したソフトウェアの妥当性、等を「見える化」することにより、顧客の要望とかけ離れたソフトウェアを開発してしまう、といったプロジェクトのトラブルを低減させることが可能になります。JASPAR2において「見える化手法」のツールであるEPMツール3が活用され、「見える化」という言葉が業界紙や専門誌に載るなど、日本国内ではこの「見える化手法」が徐々に普及しています。

 一方、日本企業の国外現地法人などが英語環境下でソフトウェア開発を行う場合、作業のやりとりは英語を中心に行われるため、「見える化手法」の導入がしにくい状況にありました。このため、SECは書籍「見える化」シリーズの主要な点を英訳し、国外現地法人での「見える化手法」の活用を促すこととしました。

 英訳の主な内容は次の3点です。
1)システム開発の作業の流れを示す、上流・中流・下流の各工程に潜在する問題点の洗い出しができるチェックシート
2)抽出された問題を解決するために必要となる計測項目
3)陥りやすい事象を避けるための150件の失敗事例

 失敗事例では原因、対策、再発防止策などが記載されており、洗い出された問題と比較して改善の参考にすることができます。その結果、顧客の希望通りの納期で、適切なソフトウェアを開発することができ、海外現地法人でもシステム開発の品質が向上すれば国際競争力強化が期待できます。

 SECは「見える化手法」を海外に普及させるため、これまで書籍「見える化」シリーズを日本語版のまま2009年10月にタイで開催されたProMAC Symposium 2009で紹介し、2010年8月には幕張で開催予定のProMAC 2010 5th International Conference on Project Managementで、英訳版について発表する予定です。

◆本書の利点
1)自己評価シートを用いて問題やリスクを正確に把握できる。
2)ヒアリングシートを用いてプロジェクト進行上の問題点を早期に発見できる。
3)各工程でチェックや診断を行うため、開発プロセスの手戻りを最小限に抑えられる。
4)150件の失敗事例を参考にし、具体的な問題の解決方法を参照できる。
5)進捗管理ができるので、納期を守ることができる。
6)プロジェクトや企業の規模を問わずに活用できる。



1

ソフトウェアプロジェクトに潜む作業上の漠然とした問題点を数値などの客観的指標により可視化する手法。作業を進めながら、問題点を洗い出すことができる点が特徴。

2

経済産業省の支援の下、車載ソフトウェア基盤などの標準化を推進することを目的に、国内の自動車メーカーや自動車エレクトロニクス関連メーカーが集結した団体。

3

EPM(Empirical Project Monitor)ツール:ソフトウェア開発プロジェクト可視化ツール。

4 ProMAC(Project MAnagement Conference):プロジェクトマネジメントに関する国際会議。隔年で、SymposiumとInternational Conferenceを開催している。Symposiumは、講演を中心に、産学交流が行われ、International Conferenceでは、論文発表が中心に行われている。

本件に関するお問い合わせ先

IPA ソフトウェア・エンジニアリング・センター 山下/神谷(みたに)

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