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プレス発表 「IT人材白書2010」のポイントを紹介

2010年4月7日
独立行政法人 情報処理推進機構

 IPA(独立行政法人情報処理推進機構、理事長:西垣 浩司)は、IT人材育成事業の一環として、IT関連産業の人材動向・オフショア活用状況、産学におけるIT教育等の状況を把握することを目的とした調査を実施しました。この調査結果を元に「IT人材白書2010 ~岐路に立つIT人材 変革期こそ飛躍のチャンス~」を5月に発行します。このたびその概要をIPAのWebサイトで公開しました。
ITスキル標準普及活動(調査・研究・広報など)


 今回の調査では、IT企業を対象に人材動向およびオフショアの動向の調査を行ったほか、ユーザー企業、大学等教育機関への調査、並びに個人を対象にIT人材のキャリア意識、情報系卒業生の実践力、各産業の社会人の基礎知識に関する調査を行っています。本年度の調査結果から、IT人材のニーズが大きく変化していることが判りました。不況の影響もあり、人材職種ニーズは開発に携わる人材から技術や運用に携わるIT人材などへ変化が見られます。更にその開発系にはオフショア開発などグローバルなIT人材の活用が着実に進んでいます。

 また、IT人材は職場に対して高い満足を感じている一方で、「勤務先の将来」や「自身のスキルが将来も通用するか判らない」など、将来への強い不安も感じています。勤務先の企業の方向性や将来ビジョンが明確でないと答えた個人ほど「勤務先の発展、成長に対する不安」を抱えている傾向があります。

◆「IT人材白書2010」のポイント
①IT人材の動向
1) IT人材の需給バランスの変化

IT企業におけるIT人材の量的不足感が後退し、一部の企業で過剰感が強まっている。(別紙-図1)

2) 職種ニーズに変化の兆し

IT企業の需要は開発系IT人材1から技術系2 、運用系IT人材3へ移行している。(別紙-図2)

3) 本格化するグローバル人材の活用

オフショア活用の取引規模は2009年度、鈍化。しかし長期的には増加傾向にある(別紙-図3)。またオフショア開発活用の意向は活用を希望する企業とそうでない企業とに二極化が進行。その活用目的は開発コストの削減だけでなく、ビジネスのグローバル化対応、海外市場の開拓といった面もある。(別紙-図4)


②IT人材育成施策の現状と今後の期待
1) 新たな発展段階に来たスキル標準の普及

ITスキル標準(ITSS)は、大手IT企業の間でほぼ普及完了に到達。しかし中小IT企業への普及は伸び悩んでいる。(別紙-図5)

2) 成果が求められる産学連携教育

産学連携による高度IT人材の育成には、実践的な教育が必要との認識が高まっている。企業、および産学連携の教育を受けた情報系分野の卒業生は共に、教育課程においてチームでソフトウェア開発を行うことが重要と指摘している。

3) ビジネスに求められるIT活用力

ビジネス上、職業人に必要とされる企業・経営に関する知識については、企業側に比べて個人の意識が総じて低い。例えば企業統治に関する理解は88.8%の企業が必要と考える一方で、個人では46.6%しか必要性を感じていない。またIT活用のための基本的な知識・スキルにおいて、企業はセキュリティ対策を重視しているが、個人は表計算ソフトのスキルを最も重要視している。(別紙-図6、図7)


③IT人材の意識と環境
1) 実態とは異なる3Kイメージ

IT人材個人の職場に対する満足感は高い。「満足している」「どちらかと言えば満足している」の合計は休暇の取りやすさ63.2%、職場の雰囲気62.4%、プライベートとの両立60.3%であり、世間で言われる3Kのイメージとは大きく異なる結果となっている。(別紙-図8)

2) IT人材個人の不安原因は将来の不透明さ

回答者の多くは現状の不満より将来への不安を強く持っている。回答者のうち、所属する企業の方向性や将来ビジョンが明確でないと答えた個人は、今後企業が発展、成長すると思えないと考える傾向が強い。また、キャリア形成について、約半数の企業が個人にキャリアプランを明示していない。自身のキャリアアップの責任が企業にあると回答した個人が62.7%に上る一方、個人に責任があると考える企業も61.2%に達しており、意見の相違が生じている。加えて、個人の企業依存は企業規模が大きくなるほど顕著な傾向となっている。

3) 将来を支える専門性の追求が飛躍への道

これからの産業変化の予測について、SaaS、クラウド等新技術が大きな産業変化をもたらすと答えたIT企業は73.2%、国内のIT企業間の競争激化は90.3%、諸外国との競争力の激化を指摘するのは87.1%だった。これらの環境変化に適応するため、将来の発展を支える専門性をさらに高めることがIT企業や技術者の飛躍の道と考えられる。(別紙-図9)


 ITは社会に不可欠な要素であるにもかかわらず、現状のIT技術者は自分の将来に不安を抱えています。企業、個人ともに未来を見通せていない、または見通そうとしていないことに大きな原因があります。IT人材が活き活きと働くためには企業が将来像やビジョンを明確にする必要があります。またIT技術者個人はたとえ、技術が変わろうとも価値ある技術者であるよう自ら努力し続ける必要があります。

◆IT人材調査の変遷
 IPAではIT人材育成事業の1つとして、IT関連業界の人材動向・オフショア活用状況、産学におけるIT教育等の状況を把握することを目的に2007年度に「IT人材市場動向予備調査」を開始し、2009年5月には、同調査を発展させた形で「IT人材白書2009」を刊行しました。本年は「IT人材白書2010」がより広く活用されることを目指し、概要版を新たに作成し公開しました。従来の白書では統計分析が内容の中心でしたが、「IT人材白書2010」ではIT人材育成に関する課題を判りやすく示し、利用者が関心のあるテーマについて検討や対策をたてやすいよう、編集方針を課題検討型に改めました。

  プレスリリースの全文は以下のPDFをご覧ください。
  プレスリリース全文(120KB)プレスリリース(PDFファイル)
  別紙資料(252KB)プレスリリース(PDFファイル)


■「IT人材白書2010」概要は以下からダウンロードできます。
  ITスキル標準普及活動(調査・研究・広報など)
1 開発系IT人材:ITスキル標準の職種区分のうち、アプリケーション開発やパッケージ導入に精通した人材やシステム開発プロジェクトを担うために必要なスキルを有する人材の総称
2 技術系IT人材:ITスキル標準の職種区分のうち、セキュリティやシステム管理など各専門分野に特化して高い技術を有している人材の総称
3 運用系IT人材:ITスキル標準の職種区分のうち、システム開発を経て、納品後にも継続して必要とされるサポートサービスに関連する人材の総称

本件内容に関するお問い合わせ先:

IT人材育成本部  網野/本間

Tel:03-5978-7506 Fax:03-5978-7516

報道関係からのお問い合わせ先:

IPA 戦略企画部 広報グループ  横山/白石

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