2009年4月23日
独立行政法人 情報処理推進機構
IPA(独立行政法人情報処理推進機構、理事長:西垣 浩司)は、このたび、オープンソースライセンスのひとつである「GNU GPL(GNU General Public License)[1]Version3(以下、GPL v3)に対する逐条解説書(第1版)を作成し、IPAのホームページより公開しました。
URL: http://ossipedia.ipa.go.jp/legalinfo/
本解説書は、IPA オープンソフトウェア・センターのリーガル・タスクグループ(Legal TG)と、米国SFLC(Software Freedom Law Center) [2]との共同作業により作成したもので、GPL v3の各条文、パラグラフごとに、旧バージョンであるGPL v2からの異同を含め、具体的かつ平易に解説したものです。
オープンソースソフトウェアの応用や開発に携わる技術者、法務部門の担当者等に、現場の参考資料として活用されることを期待します。
デジタルテレビ、デジタルビデオレコーダー等の情報家電や、携帯電話等の多くが、内部にLinuxを始めとする様々なオープンソースソフトウェア(OSS)を活用しており、OSSは、我が国の産業を支える重要な基盤の一つとなっています。
OSSは、ソースコードの公開を義務づける等、独特なライセンスにより配布されています。OSS活用の現場の関係者にとって、それらライセンスの条文や背景を良く理解することは、訴訟等のリスク低減に重要であるばかりでなく、将来のOSS活用への戦略を検討する上でも極めて重要です。
GPLは、OSSライセンスの先駆的な存在であり、Linuxを始めとする多くのOSSで採用され、大きな影響力を持っています。 現在広く用いられているGPLはバージョン2(GPL v2)ですが、本解説書は、そこからの異同を含めて最新バージョンであるGPL v3を解説することにより、双方の理解に資することを目指しました。
これまで、GPLv2・GPLv3を通じ、ライセンスの条項毎に具体的な解説をした文献は非常に少なく、OSS活用の現場の関係者にとって、これらを正確に理解することは大変困難でした。
ライセンスの条文には、それが決められる過程での様々な議論や考え方が凝縮されています。特にGPL v3は、その策定過程の一部が公開議論で進められたこともあり、より多くの複雑な議論が凝縮された物となりました。 また、特定の国の法律に依存しないように条文を工夫するといった先駆的な取り組みも行われ、結果として理解が難しくなった面もあります。こういった背景を含めて条文を考えることは、条文理解の大きな助けになります。
そこで、IPAは、GPL v3の起草にあたった米国SFLCと相互協力協定を締結し、その下で共同作業として解説書作りを進めることにより、こういった背景知識を取り入れることとしました。また、条文の解釈に関し、議論の分かれる可能性の有る部分については、SFLCの見解を、「SFLCの見解」と明記して記載しました。
OSSライセンスは技術と法律が交錯する難解な領域ですが、本書はその両方の分野の専門家から構成されるIPA オープンソフトウェア・センター リーガルTGの2年半に亘る検討の成果をまとめたものであり、ソフトウェア開発現場の技術者や法務担当者が実践的に活用可能な内容を目指しました。
本解説書は、IPAのホームページより公開しました。
URL: http://ossipedia.ipa.go.jp/legalinfo/
OSSを活用する現場の関係者に広く活用されることを期待します。
本解説書は、第1版として発行しますが、公開ページに設けるアンケートを通じて意見・質問を募集し、さらに改善していく方針です。
本解説書は、広く活用できるよう「クリエイティブ・コモンズ・ライセンス表示-非営利-改変禁止2.1」[3]の条件のもとで公開します。内容を改変しない限り無償でダウンロードし利用することができます。出版等営利目的での利用は禁止しますが、企業・団体等の内部における利用(講習会、勉強会等)を目的とした複製及び翻訳については、無償で許可します。
プレスリリースの全文は以下のPDFをご覧ください。
プレスリリース本文
(PDFファイル、456KB)
[1] GPL(GNU General Public License) :Free Software Foundation(Richard M. Stallman氏が設立した非営利団体)が策定したオープンソースソフトウェアのライセンスの一つ。Linux等で広く用いられている。ソースコードの公開義務、派生ソフトへのライセンスの波及が特徴。 条文の作成にSFLCのEben Moglen教授があたった。
[2] SFLC(Software Freedom Law Center) : オープンソースソフトウェアに関する法的問題へのコンサルティングを目的とし,コロンビア大学ロースクールのEben Moglen教授によって2005年に設立された非営利法人。2007年12月1日付けで、IPAはSFLCとの間でオープンソースに関する法的課題検討、普及啓発等を協力して行うため、相互協力協定(MCA)を締結している。
[3] クリエイティブ・コモンズ・ライセンス 表示-非営利-改変禁止2.1 (Creative Commons License Attribution Non-Commercial No Derivatives 2.1): (http://creativecommons.org/licenses/by-nc-nd/2.1/jp/)
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