最近では、いわゆるコンピュータだけでなく、家電や自動車といった身近な領域でも急速にネットワーク 化が進み、外部からの脅威などに対しても新たな対応が求められています。IPA では、こうした変化に対 応し、ネットワーク環境におけるソフトウェアの信頼性向上とセキュリティ確保に取り組んでいます。
社会の基盤や企業活動などを支えるITシステムは、いくつかのソフトウェアの組み合わせで成り立っています。高い信頼性を持つシステムの構築は大変重要ですが、システムを構成する個々のソフトウェアの信頼性を高めるだけでは、これを実現することはできません。システム障害の原因も、ソフトウェアの不具合によるものは3 割程度で、多くの場合、原因はほかに存在します。
このためIPAでは、システム全体の信頼性向上を目指し、ソフトウェアの信頼性向上にとどまらず、企画段階やシステムの保守段階における手法の確立、高い信頼性を実現する設計手法(技術)の体系化、そして、その技術を駆使できる技術者の育成に努めています。
また、ネットワークが高度に進化し、私たちの身近にある携帯電話や家電製品までもがインターネットに容易に接続できる今日では、ITシステムもまた、無数の組込みシステム製品と情報ネットワークシステムが複合的に連結した「統合システム」へと変化しています。そこでは、相互に連携し機能することで新たな価値が生まれる反面、個々の製品やソフトウェアの信頼性が確保されても、システム全体の安全性は保証されないという新たな課題が生まれています。 IPAは、そうした新たな課題への取り組みも始めています。

ネットワーク化の進展などに伴って、ソフトウェアに対する新たなセキュリティ対策が求められるようになってきました。例えば、鉄道や発電所などの大規模なシステムが外部から攻撃されれば、社会全体に極めて深刻な影響を及ぼします。また、これまで単独で動いていたテレビや家電がネットワークに接続されたことで、外部からの攻撃という新たな脅威に対する備えが必要になっています。このほか自動車関連分野など、多くのソフトウェアが相互に連携している分野では、安全を確保するためにさまざまな角度からの検証が欠かせません。IPAでは、こうした変化をソフトウェア開発全体の課題ととらえ、セキュリティを向上させるための調査研究や情報公開を進めています。
