IT技術が個々の企業ごとにばらばらに進歩していくと、それまでやり取りしていたシステムが、いつの間にかつながらなくなっているような事態が起きるかもしれません。IPAは、公的機関として公正中立な立場から、ソフトウェア同士が一定の連携を保てるように、必要な調査や情報公開を行っています。
政府機関が行うITシステムの調達は、民間企業と比べ、より公平・中立であることが求められます。入札要件には、
特定企業の製品名や独自機能などを避け、中立的な仕様を記載することが必要です。しかし、そのためには高度なIT知識が必要であったり、仕様書の量が膨大になってしまったりするため、調達の担当者を悩ませてきました。
そこでIPAでは、調達に必要な技術情報をまとめた「技術参照モデル(TRM:Technical Reference Model)」を提供し、政府の指針に従った公平なITシステムの調達を支援しています。その内容は、典型的なシステム構成モデルや、特定企業に依存しない機能要件/非機能要件の記述例など、中立的な仕様の作成に欠かせないものです。
同様の取り組みはEUでも進められており、技術仕様の評価手法(CAMSS)などの策定が推進されています。IPAでは、TRMとEU取り組みとの親和性を高め、相互協力を進めるため、欧州委員会との情報交換を密にしています。
日本のITは現在、主要技術の多くを米国などの海外に依存しており、国際競争力を高める上で課題となっています。 こうした中、「Ruby(ルビー)」は、日本で独自に発案・開発されたプログラム言語として注目を集めています。高機能なプログラムを簡潔に記述できる点が特長で、海外においても多くの開発者に利用されている優れたプログラム言語です。IPAでは、学習教材と実習環境を合わせた「Ruby 研修用コンテンツ」の公開を通じ、Rubyの普及を支援しています。
コンピュータで文字を扱うには、文字の形をデータ化してまとめたフォントが必要です。IPA では、システムの種
類を問わず無償で利用できる高品位なフォント「IPAフォント」や、その改良版の「IPAexフォント」を開発・公開してきました。
これらのフォントは、文字符号に関する国際標準規格「ISO/IEC 10646」に準拠した符号化により、異なるシステムやコンピュータでも問題なく文字を表示できます。
一方、政府や官公庁のシステムでは、住民情報などの人名を多く扱うことから、人名漢字や異体字への対応が必須
です。従来は、フォントによってはこれらの文字を扱えず、システムの更新・改良や標準化を阻む要因の一つでした。
そこでIPAでは、新たなフォント「IPAmj明朝」を開発・公開し、住民基本台帳ネットワーク統一文字と戸籍統一文字を含む約6万字に対応しました。これにより、国民に便利な電子行政の実現が一層近づくと期待されます。
