平成14年度未踏ソフトウェア創造事業「未踏ユース」


採択プロジェクト概要

1.担当PM 竹内 郁雄 (電気通信大学 情報工学科 教授)
2.開発者氏名 蜂須賀 恵也 (茨城工業高等専門学校 電子情報工学科)
3.プロジェクト管理組織 株式会社 創夢
4.テーマ名 ハードウェアの支援による高速な大域照明レンダラーの開発
5.採択金額 1,500,000円
6.テーマ概要

本テーマは、現在市場に普及し始めている、プログラマブルシェーダーをサポートしたグラフィックハードウェア(以下GPU)を用いて、大域照明計算を高速に行う事のできるレンダラーを開発する事を目的とする。

大域照明とは光の大域的な伝播の計算を行い、写実的な画像を得るためのシミュレーションモデルの事である。現在の大域照明の計算は、主にCPU上でのソフトウェアのみの計算で行われている。この主な理由は、大域照明の計算ではほとんどのGPUでサポートされていないレイトレーシング法を用いる事が多いからである。専用GPUの開発も行われているが、一般のユーザーが利用する事は、現在の所、コストなどの問題で不可能である。そのため、大域照明計算にはGPUによる支援が受けられず、計算速度が著しく遅くなる原因の一つとなっている。今までは、このように専用のハードウェアによる支援が得られない処理は、速度を犠牲にして汎用な処理が可能なCPUによる計算を行うしかなかった。

しかしここ数年、プログラマブルシェーダーという概念に基づき、GPU上での処理を専用の言語を用いてある程度プログラミングする事が可能なハードウェアが登場し始めた。これは現在ゲームなどの用途で盛んに使われており、従来CPUのみで計算を行うしかなかった処理も、GPUによる支援が受けられるようになり高速な計算が可能になっている。プログラマブルシェーダーはゲームのようなリアルタイムレンダリングの分野だけでなく、物理計算や画像処理にも用いる事ができ、その実例も各ハードウェアベンダーによって示されている。

従って、本テーマではこのプログラマブルシェーダーを用いた大域照明の計算について研究を行い、それを元に大域照明をサポートしたレンダラーを開発して一般に公開する事を目的とする。

7.採択理由

プレゼンを聞いてさらに評価の上がった元気のいい若い学生。実績・実力もある。提案テーマもPMの見るかぎりでは、うまいすき間を狙っている。ただし、タイミングが重要。まさに旬のテーマだ。それにしてもこの予算でいいのと思うくらいの小額申請だけれど、これは若さに任せてやってもらおうじゃないかとPMも乗った。